アンチエイジング診療は、
自由診療で提供することが大半でしょう。

思い切った高値にできるチャンスもある反面、
その額でも満足していただける
医院に仕立てないといけません。

さて、
集患のためにしたほうがいいことは
山ほどありますが、
居心地よい院内環境を整備することもそのひとつ。

待合室やカウンセリングルームを
居心地よい空間にすることも大切ですが、
小さな子供がいる患者さんにおいて、
子供がいても通院できる環境を整備することも
必要ではないでしょうか。

特に女性の患者を集めたい場合は有効でしょう。

今回は、

「子連れでも来院したくなるような
クリニックにするにはどうしたらいいのか?」

ご紹介したいと思います。

子連れの女性患者に歓迎される設備

お子様を放置したまま
うかつに通院できない患者さんに
喜ばれる設備を振り返ってみましょう。

授乳室・ベビーシート

「子育てしやすい社会」が
国全体のスローガンとなりつつあります。

医療機関も公共の施設の一部ですし
授乳期の子供を抱えた女性でも
受診できるようにすることは
社会貢献にもなりそうです。

キッズスペース

授乳期が終わっても、
子供の面倒を見ることは手がかかると思います。

以前の記事でも取り上げていますが、
充実したキッズスペースがあれば、
患者は、我が子を診療中に
安心して預けておけます

パウダールーム等の併設

特に美容関係の診療を提供する場合なら
パウダールームのような設備を
キッズスペースや授乳室と
併設、または一体化する
というアイデアを盛り込んでみてもいいでしょう。

考えられる注意点とは? 

先ほど、ご紹介した設備の例ですが、
実際に設置するにあたり、
下記のような注意事項も配慮する必要が
あるでしょう。

病気のリスク

キッズスペースやベビーシートで
今、いちばん懸念すべきなのは
感染症の危険性です。

もっともこれは、
コロナウイルスの猛威以前から
指摘されていた
リスクでした。

小さな子供はやはり、
病原菌に対する抵抗力が足りません。

たとえば、
インフルエンザ等が流行する時期は、
医療機関のキッズスペースが
感染のきっかけになるのでは……。
そういった憶測は、
一般の患者の間でも行われていました。

以上の理由から、
今年はキッズスペースの開放を
見合わせる医療機関が相次いでいます。

現在のような状況においてはキッズスペースを
開放するなら人一倍、消毒作業等を徹底して行って
患者を安心させる必要がある
でしょう。

安全対策

キッズスペースで何よりも怖いのは
事故やトラブルが起こってしまった場合ですね。

特に
子ども同士のケンカ、といったトラブルや
中にある品物の破損等が起こることも考えられます。

この問題に関して
完全無欠な解決策はなさそうですが、
各地の医療機関で試している
アイデアを取り上げてみましょう。

出入りの制限

目を離したすきに子供がついうっかり、
どこかへ行ってしまわないようにしたいところです。

たとえば、
ベビーサークルや安全柵のようなものを使う、
といった手段が考えられます。

中に配置する品物

倒れたり落としたりしても
危険のない品物を選ぶべき。

また、
電化製品等は子供がいじっても危険がないように、
できたら最小限にとどめるのがベストでしょう。

監視システム

キッズスペースの内部を撮影する、
という手があります。

本格的な防犯カメラの設置は
簡単ではありませんが……、
市販のTVカメラやWebカメラ等を取り付けて、
受付や診察室で常に見えるようにしておけば
安全性を高めることができます。

特に、
診療中の患者から見える位置にあるなら、
患者満足度は向上
しそうです。

ただ、この手もパーフェクトではありません。
カメラにはどうしても死角が生まれますし、
常に誰かが見ていられるとは限りません。

ちなみに防犯カメラの場合は
録画機能がついているものです。
したがって何があったのか
かなり正確に確認できて便利だと考えられます。

ただ、防犯カメラの録画は
なるべく公開せずに済ませたいところです。

たとえば、
子供のちょっとしたケンカが
起こったような場合に
いちいち公開していたら
きりがありませんし、
保護者同士の深刻ないさかいが
起こる恐れがあります。

したがって、防犯カメラの録画の公開は
慎重に行ったほうが良いでしょう。

育児中の女性は、常に子連れでも利用できるサービスを欲しているかもしれません

キッズスペースやベビーシート
といった設備があると、
子育て世代の女性患者が
一気に通院しやすくなりますね。

美容診療の場合なら、
パウダールーム等の併設も気に入られるでしょう。

気がかりな点は、
子供の安全が重視される点かと思います。

現在はコロナウイルスが原因で、
感染症の危険性がひと際関心の的です。

それから事故・けがや
子供同士の衝突等も無視できません。

現在、
医療業界全体でキッズスペース等に関して
慎重論が出ていることは
以上の点があるからだと思われます。

アンチエイジング診療の場合も、
これらのポイントをよく検討して、導入方法を
決めていくことが望ましいでしょう。