医療事務の仕事の中で
時間のかかる作業のひとつに、
受付での健康保険証などの
資格情報の確認があると思います。

毎月、患者さんに保険証の提示を求め、
今までの保険証と変更はないかを
確認しなくてはいけません。

そこで、
オンライン資格確認を導入すれば、
オンラインで資格情報を確認することが
できるかもしれません。

実際、
オンライン資格確認とはどんなものなのか、
そして導入する方法などについてご紹介します。

オンライン資格確認とは

オンライン資格確認は、
マイナンバーカードや
健康保険証の記号番号を利用することにより、
オンラインで資格情報を確認できます。

オンライン資格確認は、
2021年10月より運用が開始されました。

これまでおこなっていた患者さんから
健康保険証を受け取ったあとの確認や、
健康保険証の期限切れによる返戻作業などを
減らすことができるようです。

そのため、患者さんの待ち時間や、
医療事務のこれまでの作業を
減らすことができる可能性があります。

オンライン資格確認による本人を確認する方法

オンライン資格確認は
2つの方法で確認することができます。

支払基金・国保中央会の
オンライン資格確認などの
システムを利用することによって
本人確認をします。

①マイナンバーカードを利用する方法

顔認証付きカードリーダーに
マイナンバーカードを置く、
または、暗証番号を入力して
本人確認をします

②健康保険証を提示する方法

健康保険証の記号番号を入力し、
本人確認をします。

オンライン資格確認を導入するために必要な手続き

オンライン資格確認を導入するためには、
次のような順序で手続きをします。

①顔認証付きカードリーダーを申し込む

医療機関等向けポータルサイトで
申込みが出来るようです。

ポータルサイトには、
顔認証付きカードリーダーのカタログが
掲載されています。

カードリーダーが届くまでは、
だいたい3~4ヶ月かかるらしいので、
早期に申し込むことをおすすめします。

②システム会社に発注する

オンライン資格確認を導入するためには、
パソコンの設定、システムの改修、
ネットワークの設定などが必要です。

③導入するための準備

ポータルサイトで、
オンライン資格確認の利用申請ができます。

導入をする前に、医療機関での受付方法や
患者さんとの対応方法などを準備します、
同時に、患者さんへの掲示物の準備も必要です。

④運用を開始する

①~③までの準備が完了したら、
いよいよ運用を開始するだけです。
最初は慣れるのに時間がかかるかと思いますが、
慣れてしまったら、
円滑に業務が行えるようになるので、
数を多くこなすと良いでしょう。

⑤補助金を申請する

導入が完了したら、
補助金を申請することができるようになります。

  • 顔認証付きカードリーダーが手元にある。
  • オンライン資格確認利用申請が完了している。
  • 電子証明書発行申請が完了している。
  • システム会社への精算が完了している。
  • 書類がすべてそろっている。

などの条件があります。

オンライン資格確認を導入するメリット・デメリット

オンライン資格確認は、医療機関にとって
さまざまなメリット・デメリットがあります。

オンライン資格確認のメリット

①健康保険証の記号番号等の入力の手間を削減することができる

これまでは、
患者さんから健康保険証を受け取り、
パソコンに記号番号や名前を入力するなどの
多数の作業が必要でした。

マイナンバーカードを利用すれば、
一番新しい患者さんの健康保険証の情報を
確認することができます。

②レセプトの返戻作業が減る

これまでは、
患者さんの持っている
健康保険証の情報を参考にしているため、
資格を喪失していたり、
入力間違いなどがあったりするなどが原因で
レセプトの返戻作業が必要でした。

オンライン資格確認は、
常に新しい情報を確認できるため
その作業が減ります。

③患者さんが来院する前に患者さんの保険情報を確認できる

来院が決まっている患者さんの健康保険証の資格が
有効か、情報が変更されていないかを
確認することができます。

もし、資格が無効であったときは、
受付で確認することが必要です。

オンライン資格確認のデメリット

①オンライン資格確認を導入するためには費用が必要

顔認証付きカードリーダーは、
医療機関または薬局では無償で提供されます。

ただし、
病院は3台まで、診療所は1台までという
決まりはあるようです。

また、
マイナンバーカードを読み取る機器、
ネットワーク環境の設備、
電子カルテの改修などの費用は必要です。

これらの費用は
一部補助金の交付があるようです。

ただし、月々のランニングコストや
カードリーダーが故障した場合などの費用は
必要です。

②患者さんへの説明やサポートなどの手間がかかる

年配の方や子どもなどには
カードリーダーを使用するときは
サポートが必要です。

また、初めて利用される方には、
オンライン資格確認の仕組みなどの
説明を求められることもあります。

そのため、慣れるまでには
時間がかかる可能性はあります。

オンライン資格確認を導入すればスタッフの手間が減らせる

オンライン資格確認は
これまでの受付の作業やレセプトの返戻作業などを
大幅に減らす事が可能です。

ただし、導入するまで時間がかかったり、
患者さんへの説明が必要になったりするなど、
慣れるまでには作業が必要になる場合があります。

将来的に考えて、
早期にオンライン資格導入を考えてみては
いかがでしょうか?

参照:厚生労働省
「オンライン資格確認の導入について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08280.html

参照:医療機関等向けポータルサイト
https://www.iryohokenjyoho-portalsite.jp/