世の中はどんどん
高度情報化しています。
この10年を振り返っても、
インターネットのおかげ
見違えるように進歩していることが
即座に思い出されますね。

医療の世界でも、
その影響は確実に及んでいます。

2018年3月に厚生労働省から
「オンライン診療の適切な実施に関する指針」
公開されて話題を集めたばかりです。

また、新たに診療報酬の中に
「オンライン診療料」
といった新たな仕組みが
正式に導入された年でもあります。

それでは、
自由診療・アンチエイジング診療を
標榜する医療機関にとって、
オンライン診療・遠隔診療という制度が
具体的にどんな影響があるのか

考察してみましょう。

遠隔診療制度の整備が大々的に進められている理由

遠隔診療の制度は、どちらかといえば、
自由診療の前に保険診療の方面で
期待をかけられている状況です。

よく知られているように、
現代の日本社会は
少子高齢化が進んでいます。
それがもたらすのは、確実に
国全体で進む人口減少ですね。

東京や大阪のような都心部は
いまだに人口が伸びていますが、
地方では慢性的な人口減に悩まされています。

医療の現場でも
これらの余波は非常に大きく、
医療従事者の不足は深刻化するばかり。
そこで、医師と患者が離れた場所にいても
診療を可能にする技術

求められるようになったのです。

とはいえ遠隔診療制度は
まだスタートしたばかりです。
課題がまだたくさん残されています。

主なメリット・デメリットを
まとめると次のようになります。

遠隔診療制度のメリット

  • 過疎地の患者に
    診療を受ける機会を提供
    できる
    (医療機関側が、往診・訪問をする
    必要から解放される)
  • 通院が難しい高齢者や障碍者に
    診療を受ける機会を提供できる
  • 医療機関が患者を長時間待たせないで済む
  • 患者が通院の時間・金額的負担から解放される
  • 患者が治療を中断するリスクを軽減できる
  • 患者の医療費負担という点で見ても
    リーズナブルになる可能性がある

遠隔診療制度のデメリット

  • 診療できる内容に制限がかかる
    (遠隔診療では対応できない例が
    依然として多い)
  • 医薬品等をスムーズに提供できない
  • 医療機関側・患者側ともに
    設備等の準備が必要となる
  • 医療従事者側が
    トレーニングを受ける必要がある
  • 医療機関にとって収益面で懸念が残る
  • 患者から診療終了直後に
    現金での支払いを受けることは不可能
  • 初診から遠隔診療を実施することは
    原則として認められていない

※備考
保険診療では、
初診から6ヶ月は必ず医師と患者が
対面しないといけません。

自由診療でも、
初診はまだ原則として、
対面診療が望ましいという考え方が主流です。

これらのメリット・デメリットを
確認するとわかりますが、
現在の遠隔診療は、どちらかといえば
保険診療の範疇で提供される医療サービス
中心にして想定されているといえます。

やはり、過疎地や医師不足に悩んでいる土地、
そして高齢者や要介護者を念頭に置いて
制度整備が進んでいることは間違いありません。

アンチエイジング・自由診療における遠隔診療の今後

ここまでの流れをもとにしてイメージすると、
遠隔診療はアンチエイジング診療では
まだ出番が少なさそうに思えます。

しかし、ここで遠隔診療の特性
よく振り返ってみましょう。
オンライン診療とも呼ばれているくらいですし、
ネットを通じて対応できる範囲で
診療を行うのがこの制度の原則
です。

自由診療では、
遠く離れた土地に居住する患者を
集めることも珍しくありません。

このような患者に対して、
遠隔診療を積極的に提供することは
とても有意義
です。
集患という点で見ても、
大きなメリットを期待できるでしょう。

もちろん
「多忙なためになかなか病院に相談に行けない」
「身体の悩みを思い切って
病院に相談に行く勇気がない」
といったケースでも有効でしょう。

遠隔診療を支援する便利なアプリが登場しています

現在は、何でも
スマートフォンで済ませる時代になりました。

スマホ専用のアプリが
大量に公開されていますが、
「オンライン診療アプリ」
どんどん開発されていますね。
これらのアプリは、
スマホやタブレット端末のほか
PCでも使える
チャンスがあります。

アプリを取得すれば、
患者は遠隔診療を一段と快適に利用できますし、
医療機関にとってもメリットが多いですね。
「遠隔診療の予約」
「診察料等の支払い処理」
まで
必要な手続きをアプリで実行可能です。

遠隔診療では
アプリ内の決済サービスや
クレジットカードによる支払い方法

よく選ばれています。
そのほか、
代引払いコンビニ払いといった方法で
会計処理を行うケースもあります。

遠隔診療にはまだチャンスが潜んでいます

遠隔診療はまだ、
存在感が強い医療サービスではありません。
しかし
確実に拡大していくものと推定されています。

アンチエイジング診療の場合については、
予測がつかない部分が多いのが現状です。
しかし
導入を助けてくれる団体
コンサルティング業者等が登場していますし、
資料の入手は容易になっています。

自院の状況に最適な導入方法を、
少しずつ検討してみてはいかがでしょうか。