アンチエイジング診療は、
自由診療で提供されることが普通ですね。

クリニック側に価格を決める権利がある以上、
経営上のメリットが大きいことは
間違いありません。

自由診療で大事なことは、収益を確保するために
経営戦略を練ることでしょう。
そして、計画の見直しも随時行う必要があります。

アンチエイジング診療で成功している
クリニックの多くは、
毎月のキャッシュフローや患者数といったデータを
しっかりとチェックしているものです。

さて、経営戦略の一環で自由診療を開始してから
スタッフに売上の変化を教えるようになる
クリニックは珍しくない模様です。

具体的な数字を見せれば、スタッフにも
クリニックの最新の業績がよく伝わります。

ただ、売上の通知はメリットばかりでは
ありません。
そこで、メリットとデメリットを
1回整理してみましょう。

スタッフに経営状態のデータを教えることで、期待できるメリット

1.大切な情報をオープンにすることで、院長とスタッフの間に信頼感が生まれる

売上といえば、どんな営利団体にとっても
非常に重要なデータですね。
クリニックもその例外ではありません。

その重要なデータを包み隠さず打ち明けることで、
「スタッフを信頼している」
「スタッフにいろいろな方面で活躍してほしいと
期待している」
というアピールをすることもできますね。

全スタッフに情報公開する必要はありません。
たとえば、入ってきたばかりの新人に
いきなり経営の話をする必要はないでしょう。

ただ、慣れてきたら徐々に経営関係の情報を
伝えていきたいものです。

2.収益の構造に関する、情報共有ができる

事務・経理の担当者や院長秘書なら、
日々の売上について知る機会は
おそらく多いでしょう。

しかし中には、売上がどうなっているのか
想像できないスタッフもいるものです。

そのようなスタッフに
少しずつ情報公開していくことで、
いろいろなことを理解してもらえます。

たとえば、保険診療と自由診療の収益率の違いや
最近の患者数の推移を教えていくだけでも、
スタッフはいろいろなことを理解するはず。

「自由診療の患者さんが、
あと何人くらい増えたらいいのか?」
そのようなことも自主的に計算するように
なるでしょう。

3.仕事に対する目的意識が向上する

人間は、単純明快な目標があると頑張れるもの。
そして、「お金」や「患者の人数」といった
具体的な数字を用いた目標が決まると、
その目標に向けて行動しやすくなるのです。

はっきりとしたモチベーションを
持たせることができれば、
スタッフの離職率の低下も期待できます。

スタッフに経営状態のデータを教えることで、期待できるデメリット

1.ストレスやプレッシャーの発生

売上の伝え方によっては、
スタッフにモチベーションではなく、
その反対の感情を与えてしまうことがあります。

売上が順調な場合なら、
裏目に出てしまう心配はあまりないでしょう。
しかし、売上が落ちていることを伝えるときは
その言い方には注意を払う必要があります。

2.院長に対する誤解の蔓延

売上のデータは、公開するのであれば
定期的に教えていくことが大切でしょう。

しかし、伝え方を間違えると
大きな誤解を受ける恐れがあります。

これは一般の企業でもよくあることですが、
経営者が売上やお金の話ばかりしているうちに、
「どうやら社長は『金の亡者』だったらしい」と、
従業員から決めつけられてしまう
ケースは非常に多いのです。

経営関係のデータを伝えるときに、忘れないようにしたい4つのポイント

スタッフの前で売上の話をするときは、
以下の点に気を付けるようにしては
いかがでしょうか。

1.売上が伸びたときは、スタッフを心からねぎらうようにする

収益の増大は、スタッフの協力なしでは
実現しませんね。
したがって売上が改善されたときは、
なるべくポジティブに伝えましょう。

そして、「あなたたちに感謝しています」
といった言葉を付け加えることも大事ですね。

特に貢献してくれたスタッフがいるときは、
そのことを全員の前で発表して
褒めてあげることもよい方法です。

2.売上が不調のときは、ネガティブな口調になりすぎないように意識する

売上がイマイチなときは、
その事実をある程度公開してもよいでしょう。
率直に伝えながら、
スタッフに協力を頼むことも可能だからです。

しかし絶望的な雰囲気を強く出してしまうと?
スタッフのやる気を損ねてしまいます。

ここで大事なことは、
「具体的にどうすればいいのか?」
その点を忘れずに付け加えることです。

たとえば、
「今月は残り2週間ですが、
患者さんが、あと○○人くらい増えたら
挽回できると思います」
と伝えたら、スタッフも目標が定まって
がんばりやすいでしょう。

3.ミーティングのときは、経営の話ばかりしないようにする

経営の話が大半を占めると、
お金にしか興味がないのだと思われかねません。

ミーティングの時間は限られていますが、
なるべくいろいろな話題を取り上げるに
越したことはありません。

4.自由診療のプランニングを行ったら、具体的なデータを交えてスタッフに伝えていく

自由診療の価格が決まれば、
目標となる患者数も決まるでしょう。
そのような情報は、なるべくスタッフに公開して
協力を呼びかけたほうがよいでしょう。

もちろん、やりすぎると、
スタッフに対するプレッシャーになることは
忘れずに。

スタッフへの情報公開でクリニック運営をプラスに

経営状態の情報は、
スタッフに適度に公開していくことで
クリニックにとって好ましい効果を
出すことができます。

アンチエイジング診療を通して
利益を増やす上でも、その点は変わりません。

売上関係のデータの伝え方や、
スタッフに公開するデータの範囲は
よく考えて決めることが大切です。