コロナウイルスは、対面型・店舗型といった
オフライン形式のビジネスに大きな影響が
あったかと思います。

アンチエイジング診療のような
感染症とは関連の薄い医療も、
被害を受けた業態の一種ではないでしょうか。

来院が遠のいてしまった患者を
何とかして取り戻すことが
現在、何かと話題になりますが、
コロナ禍はその他のデメリットも
もたらしています。

たとえば、
スタッフ間の交流へのダメージ」です。

「院内感染」と書くとつい、
患者さんや出入りの業者さんといった
外からの来訪者ばかりが
思い浮かぶかもしれません。

ですが、スタッフからスタッフへの
感染もじゅうぶんにありうることでしょう。

今回はスタッフ間の交流に関して、
掘り下げると同時に何に目を向ければいいのか
考えてみることにしました。

院内でスタッフと過ごす時間から、感染を起こさないためにすべきこと

さて、スタッフ間での感染を防ぐには
どうしたらいいのでしょうか? 

この点は、
普段みなさんがやっていることが
多いと思いますが、
念のためご案内していきます。

常識的な範疇での予防

毎朝の出勤時と出かけて帰ってきた際に
手を消毒することやうがいをすること、
またマスクの常用や、トイレで水を流す際に
蓋を閉めるといったルール
欠かさず守ることが大事でしょう。

休憩時間

休憩時間に院内で食事をとるスタッフが
いる場合はどうしてもみなさんマスクを
外すことになってしまいますよね。

したがって無防備な時間が
生じやすくなります。

各スタッフに、

  • 複数人で食事を一緒にしない
  • マスクを外したまま話さない

などの最低限の自重は
お願いしたほうがいいでしょう。

ミーティング

本格的に予防するためには、
スタッフ同士で長時間話し込むことは
避けたほうがいいでしょう。


「朝礼・夕礼をはじめとしたミーティングを
必要最小限にまで減らしたほうがいい」

そういった考え方も
当然出てくるかと思います。

実行に移しているケースも
各医院で増えている傾向があります。

朝礼の場合は、
もともと制限時間が
はっきりと決まっていることが多いですし
長々と話すことは少ないかと思います。

今は全体として、

「会議も3密」

という認識が
世の中に広まっていることは否めません。

とはいえ、
院内でのミーティングは
完全にストップさせるわけには
いかないかと思います。

なぜなら、
やはり、直接顔を合わせて話したほうが

  • うまく伝わること
  • うまく解決できること

など、たくさんあるはずなので、
完全に院内ミーティングを無くすことは
難しいと思います。

ただし、今はコロナ禍という一大事。

以下のようなポイントは守ったほうが
安全ではないでしょうか。

マスクや換気等の配慮を徹底させる

長時間の会話でなければ、
感染のリスクは軽減可能でしょう。

会議の終わりの時間を前もって早めに
設定するなどして、長時間会議を行うことは
避けたほうがいいでしょう。

時間を短めにする

なお短時間での会議を院内の全員で
目指すことは、スタッフの大半からは
歓迎される可能性が高く、
おすすめの手段といえます。

直接、話さなくても伝わりそうな内容は極力間接的に伝える

メールやSNS、あるいはイントラネットのような
ネットのシステムを使って連絡しても問題なければ、
なるべくそちらで間に合わせましょう。

院内でスタッフと過ごす時間から、感染を起こさないために

前章では
院内の予防についてご説明しましたが、
院内だけでなく、院外での交流も
避けたほうがいいですよね。

昨年の春くらいから広がっている傾向ですが、
普段ならスタッフ同士で外食している
医療機関でも院外イベントを
自粛しているところが多いでしょう。

いちばんオーソドックスなイベントといえば
やはり、食事会・飲み会ではないでしょうか。

例年ですと、
春先は辞職するスタッフがいるなら
送別会をやるところが多いですし、
入職してきたスタッフがいるなら歓迎会を
やっていたところが多いのではないでしょうか。

しかしこれらのイベントも、
今年は開きにくくなったままでしょう。

とはいえ「全然やらないのはさみしい」
という声も多そうですね。

簡単に取り入れられそうな対策は

  • 開催する時間を短縮する
  • 二次会や三次会をなくす

といった方法ではないでしょうか。

患者がいない場面でも感染防止は怠れません! 

コロナウイルス予防策を本格的に
敢行するとなったら、院内でも院外でも、
スタッフとの「3密」の接触はできるだけ
回避する必要に迫られてしまいます。

スタッフからスタッフへの
感染が起こってしまうことは
できれば避けたいことでしょう。

とはいえ、徹底しすぎてしまうと弊害を
増やしてしまいますし、医院の
経営責任者としては難しいところです。

院内でのミーティングにしても、
院外での交流イベントにしても。
どのような方針にするのかは、
スタッフの意見を聞き取った上で
院長が決定していったほうがいいでしょう。

さまざまな着眼点を総合的に考慮して
バランスのとれた決断を下すことを
心掛けてみてはいかがでしょうか。