開業医の間で、
車は昔からとても人気が高い趣味ですね。

現在は、
車が売れない時代とよくいわれます。

しかし医師の間では、
マイカーにこだわりを持つ方が
依然として多いでしょう。

地方では
車を数台持つことは当然のことですし、
また道楽のために車を
何台も買い込む医師も少なくありません。

それに自動車の購入は、
節税の一手段として
古くから行われてきました。

自動車が事業のために
必要不可欠であると認められたら
購入額を経費に算入できる
ためです。

ただ、
本格的に節税を狙うなら、
最新の税法等を把握してから
計画を練る必要があります。

近年も税金関係の法令は
頻繁に改められています。
そこで、今から自動車による節税を
狙う場合に
知っておいたほうがよい情報を
ご説明しましょう。

自動車購入と節税、基本的な方法のおさらい

勤務医はまったく状況が異なるのですが、
開業して事業者という立場になれば、
通勤や往診といった名目で
自動車を購入すれば、
その代金は経費と認められます。

そして、自動車には
法定耐用年数が定められています。

その年数に応じて算出した額を、
各年度の決算の際に
経費に算入してかまいません。

ただし、事業用と私用の両方に
車を使っている場合は、
全額が経費になるわけではありません。

事業目的とプライベート目的の割合を
決めないといけません。

たとえば、
事業目的が
プライベート目的の半分しかない場合、
経費に含められるのは
購入額の三分の一までです。

さて、ここからは
車を買うときに徴収される税金の話です。

自動車を取り巻く税制度が相次いで改正されています

節税に成功したいなら、
数多くの税制度にも
興味を持つ必要があります。

特に
自動車関係の税改革で、
絶対に無視してはいけないのは
「消費税アップの影響」でしょう。

皆さんご存知の通り、
昨年(2019年10月)に
消費税は10%に上がりました。

この増税に前後して、
さまざまな改正が施行されています。

これらの措置は、
増税による消費の冷え込みに対応するために
決定されたものも多く、
車にあまり乗らない方でも
知っておいて損はありません。

既存の自動車税の変化

自動車税は、
その車の排気量によって
課税額が決められていますが
すべての車種において、
昨年10月から減税されることになりました。

わかりやすく書くなら、
次のような形で減額されています。

  • 1000㏄以下:4500円減税
  • 1000㏄上~1500CC以下:4000円減税
  • 1500CC上~2000CC以下:3500円減税
  • 2000CC上~2500CC以下:1500円減税
  • 2500CC上:1000円減税

大した金額には
見えないかもしれませんが、
自動車税は毎年課税されます。
安いに越したことはないでしょう。

環境性能割

これも、
消費税増税と同時に導入された
税制度でしたが
「自動車取得税の廃止」
合わせた制度でもあります。

通常の自動車税のような、
毎年課税されるものではなく
購入時だけ課税される点が特徴です。

  • 軽自動車:購入額×0~2.0%
  • その他の登録車:購入額×0~3.0%

この「環境性能割」は、
燃費の性能に合わせて税率が決まります。

定められた基準を達成した高性能の車種は、
環境に負荷を与えないことから
税率を税率が下げてもらえます。

なお今年、
2020年9月末までは
1%分課税額が下がります!
 

したがって基準を
全然満たしていない車種でも

  • 軽自動車:購入額×1.0%
  • その他の登録車:購入額×2.0%

 となるわけです。

エコカー減税

エコカー減税制度が適用される期間が、
延長されました。

自動車取得税に関する適用期間は
終わっていますが、
自動車重量税については
2021年4月30日まで適用が認められます。

この制度も、
環境に優しい車種を優遇する制度です。

以下のような仕組みで、税率を減らしてくれます。

  • 電気自動車:免税
  • 2020年度燃費基準+90%達成車:免税
  • 2020年度燃費基準+50%達成車:
    初回車検時のみ免税
  • 2020年度燃費基準+40%達成車:
    初回車検時のみ免税
  • 2020年度燃費基準+30%達成車:
    初回車検時に50%軽減
  • 2020年度燃費基準+20%達成車:
    初回車検時に50%軽減
  • 2020年度燃費基準+10%達成車:
    初回車検時に25%軽減
  • 2020年度燃費基準達成車:
    初回車検時に25%軽減

いちばんのねらい目は
「2020年度燃費基準+40%達成車」でしょう。

「2020年度燃費基準+30%達成車」までは
税率が減らされるものの
昨年までと比べると税率は上がっているのです。

グリーン化特例

この制度も期間が延長されています。

2021年3月31日までの税率は次の通りです。

  • 電気自動車・ハイブリット車etc.:
    軽自動車は75%軽減、登録車は75%軽減
  • 2020年度燃費基準+50%達成車:
    軽自動車は50%軽減、登録車は75%軽減
  • 2020年度燃費基準+40%達成車:
    軽自動車は50%軽減、登録車は75%軽減
  • 2020年度燃費基準+30%達成車:
    軽自動車は50%軽減、登録車は75%軽減
  • 2020年度燃費基準+20%達成車:
    軽自動車は25%軽減、登録車は50%軽減
  • 2020年度燃費基準+10%達成車:
    軽自動車は25%軽減、登録車は50%軽減

なお
2021年4月1日から
2023年3月31日までは
「電気自動車・ハイブリット車etc.」のみが、
依然として軽自動車:登録車ともに
75%軽減を引き続き適用される見通しです。

今年は開業医にとって、車を買う上で絶好の機会

ご覧のように、
環境への配慮を重視した車種を選ぶと
どんどん節税のチャンスが増えます。

とはいえ
電気自動車等に
抵抗を覚える方が多いのが実情でしょう。

ただ
「2020年度燃費基準+40%達成車」は
世間でかなりの注目を集めている模様です。

また、環境性能割が低めに適用される
今年9月末までに
購入しておくのも、
有効なアイデアでしょう。

いずれにしても、
車選びは時間がかかる事かと思います。

最新の法制度をチェックした上で、
後悔のないチョイスをしましょう!