現在は、
「患者が医者を選ぶ時代」
そして
「患者が病院を選ぶ時代」
と、よく言われますね。

特に自由診療の場合は、
患者側の負担額も高いですし
患者に喜んで選んでくれる施設を
運営する側は目指さないといけません。

さて、近年の医療界でよく話題になる言葉に
セカンドオピニオン」がありますね。

「患者の移動」
「患者の奪い合い」

といった懸念を持つ開業医も少なくありませんが、
インフォームドコンセントの概念が
広がっている今、
他の医師に相談する機会を
保証する必要があるでしょう。

アンチエイジング診療のような、
患者の身体のシビアな悩みを
解決する分野では
セカンドオピニオンの需要は
自然と高まる傾向があります。

では、
セカンドオピニオンを望む患者に対して
どのように接するのが妥当でしょうか?

今回は、患者への接し方の例を
ご紹介したいと思います。

セカンドオピニオンを提供すると何が期待できるのか

まずは、
セカンドオピニオンで得られるメリットを
おさらいしておきましょう。

1.集患のチャンス

やはり、新たな患者を
獲得する機会が発生しますね。

ただし、
セカンドオピニオン目的で来院した相手に対して
過度なセールス活動を行うことは
おすすめできません。

医院のイメージを
損ねる恐れがあります。

ちなみに、セカンドオピニオンで
新たな患者を獲得した場合ですが、
前の主治医と患者の主訴に関する
情報共有をしたほうが良い場合があります。

このような場合は、
前の主治医と円滑な連絡をとる努力が
欠かせないでしょう。

2.医院のイメージ向上

セカンドオピニオンを勧めると、
患者から「良心的な医療機関」という
イメージが生まれるチャンスを持てます。

なおかつ
「その道にかけて、とても自信を持っている」

というイメージも広まりますね。

セカンドオピニオンを勧めるにあたって、やったほうがいい準備とは

セカンドオピニオンを患者に勧めるにあたり、
医院内で準備をしたほうが良い事項を
ご案内します。

1.受け入れる条件の決定

セカンドオピニオンは
むやみやたらに提供してよいものではありません。

アンチエイジング診療を標榜する場合、
予約制をとるケースがほとんどですが
申し込みがあった際に、
以下の資料はきちんと持参するように
患者さんへお願いすべきでしょう。

主治医の紹介状

まず、現在の主治医の承諾を得てから
セカンドオピニオンを
申し込んでもらったほうが良いでしょう。

診断内容をまとめたもの

さらに主治医からは、
検査の結果等も
できるだけ提供してもらうように
お願いしたほうが良いでしょう。

2.(見込み)患者への告知

セカンドオピニオンを提供する条件を決めたら、
医院のオフィシャルサイト等で
発表しましょう。

とりわけ、
料金体系は患者がいちばん知りたがる点です。

セカンドオピニオンの
相談は自由診療で提供できます。

したがって好きなように
金額を決めてOKです。
 
ただし、他の医院より
やたらに高いと敬遠される傾向があります。

周囲の医院や競合する医院の価格を
よく調べてから決めるべきでしょう。

3.セカンドオピニオンの実施

見込み患者への案内方法が確立したら、
ついに、セカンドオピニオンの実施を
開始です。

ここでは実施に際して、注意すべき事項を
ご案内します。

相談に応じる範囲

電話やサイトから予約を受け付ける際に、
できるだけ、患者から相談内容を聞き出して、
万全の準備をするべきでしょう。

なお、意見の提供に応じる範囲は
自信のある範囲に制限しておくほうが無難でしょう。

医師であれば、
専門分野に関しては
日ごろから学会における最新の研究結果等に
精通しているものですが、
それに当てはまらない分野の相談は、
できれば受けずに済むように
したいところです。

あらかじめサイト等にて
対応する範囲を制限しておいてもいいですし、
場合によっては

「他の先生を紹介する」

という手を使ってもよいでしょう。

前の主治医の悪口を言われる可能性に関して

主治医の悪口や批判ばかりを言いたい患者は、
できれば受け入れたくないものですね。

あらかじめサイト等に、
その点をお断りしておいたほうが無難です。

ただ、中には

「医療相談の合間に、主治医の悪口が多少混ざる」

というケースも考えられますね。
 
このようなときは、
もちろん
その主治医に対して
無根拠な中傷をするような真似は
絶対にすべきではありません。

患者の不安や不満を受け止めて
解消しないといけない立場のため
難しいところですが、

  • 患者の心情を、ある程度
    理解する姿勢は示す
  • いっぽうで、主治医に対する
    フォローとなる言葉も口に出す

といった配慮が必要でしょう。

既存の患者が、よその医師にセカンドオピニオンを求める場合

自院でセカンドオピニオンを
積極的に提供するなら、
患者が

「よその医師の意見を聞きたい」

と申し出てきたときは
快く受け入れたほうが、やはりフェアと
言えるでしょう。

快諾するなら、
やはり、検査結果等や紹介状を
その患者のために
用意する必要が生じますね。

セカンドオピニオンをはじめるにあたっての心構え

セカンドオピニオンのサービスは、
開始して速やかに集患や売上の上昇に
結びつくわけではありません。

しかし、
身体の悩みを持つ患者に、
安心できるアンチエイジング診療の
情報と機会を提供できます。

続けていくうちに
医院の評価も上がりますし、
集患のチャンスにもつながります。

相談に応じる条件等は、
念入りに準備する必要はあります。
しかし極端に困難という
わけではありませんし、
チャレンジする価値は
大いにあるのではないでしょうか。