地震・台風・津波などの災害が起きた場合の
準備は万全ですか?
病院の経営者は診察中に災害が起こったとき、
患者さん・スタッフの安全を
守る義務があります。

また、
災害は思いもよらない事態が
起こる可能性もあります。

今回は、
“災害が起きたときの準備、
知っておきたい災害の知識“を紹介します。

事前に準備しておきたい災害が起きたときの役割分担とは

医院経営者は災害が起こったら、
患者さん・スタッフの安全を
確保しなければいけません。

患者さんの中には

  • 自分で歩けない人
  • パニックになりやすい人

など様々な方が来院しているかと思います。

このような非常事態にそなえて
医院内で役割分担しておいたほうが良いでしょう。

例えば

災害が起きたときの責任者…院長
事務主任…患者さんの誘導、
ガス・電気などの確認
看護師主任…患者さんの体調を確認

など、
緊急時にも対応できる患者さん用の
マニュアルを作成しておくと安心です。

災害が起きたときに必要な対応とは

すぐに対応できるように、
次のような内容をスタッフと
共有しておきましょう。

被害状況の確認

最初に、
周りにいる患者さん・スタッフの状況を
確認します。

他の部屋にいる人がいるときは、
大きな声を出して確認することも必要です。

患者さんの中で
調子が悪くなっている人がいないかも
確認したほうが良いでしょう。

落ち着いたら、テレビやラジオなどで、
外の被害状況を確認します。

避難誘導

避難場所に行く場合は、
全員で一度に移動しましょう。

体調の悪い方や足腰の不自由な方は、
スタッフが付添います。

ビルなどの建物から避難する場合は、
エレベーターではなく階段で避難します。

足元が見えにくい場合に備えて、
懐中電灯を用意しておくことも必要です。

火事が発生した場合は、
煙を吸い込まないように
口元をハンカチなどで覆い、
低い姿勢で避難することを伝えます。

避難場所

災害が起きる前に小学校などの
広域避難所への行き方を確認しておきましょう。

避難する場合は、
外が本当に安全なのかを確認することも大切です。

避難をするか迷った場合は、
各自治体から発令する避難情報を確認しましょう。

火の元の確認

地震や火災が起きた場合は、
電気やガスなどを確認しましょう。

例えば、

  • コンセントを抜く
  • ガス栓を閉める

といった確認も必要です。

火災発生時に備えて消火器の使い方も
確認しておきましょう。

緊急連絡網

夜間・休日に災害が起きた場合、
スタッフに連絡がとれるように
緊急連絡網を作成しておきます。

NTTの災害用伝言ダイヤルの使用を
考えてもいいでしょう。

火災・地震・台風が起こったときの対応

クリニックで災害が起きたときの
対応についても考えてみましょう。

災害ごとにマニュアルがあると
慌てずに対応できます。

火災

火災が起きたことを大きな声で知らせます。

その後、119に通報します。

火が小さいうちは、消火器で消火します。

大きな火になってしまった場合は、
無理をせず避難することが大切です。

火災が大きくならないように、
窓やドアは閉めておきます。

地震

地震が起きたら、丈夫な机の下などに
体を隠します。

揺れがおさまったら、
周りの患者さんやスタッフの状況を確認します。

家具が倒れていないか、
窓が割れていないかを確認し、
窓やドアをあけます。

マンションは地震が終わったあとも
揺れが続くため様子をみます。

テレビやラジオで情報を確認します。

台風

台風が接近してきたら、
できるだけ建物の中で待つことが大切です。

雨が強い場合は、
冠水することを考え上の階に避難します。

自治体から避難勧告が出たら、
患者さん・スタッフと一緒に移動します。

川が氾濫していたり、
マンホールがはずれていたりする場合があるので
注意しましょう。

足の不自由な方や高齢の方は注意が必要です。

備蓄品の確保

災害が起きて外に出られない場合、
どれくらいその場所に待機しなければ
ならないのか、備蓄品の在庫量を確認して
逆算したほうが良いでしょう。

また、医薬品・衛生材料は災害が起きた場合、
補充されるかも確認してみたほうが
いいかもしれません。

もしもの時に備蓄をしていて損しない備蓄品の例を
下記にご紹介します。

飲料水、食料

飲料水・食料は、病院に滞在することを考えて
最低3日分は確保しておいたほうがいいでしょう。

また、
飲料水・食料は賞味期限があるため、
定期的に確認することも必要です。

備蓄品にはどのようなものが
必要かも確認しておきましょう。

医薬品・衛生材料

医薬品・衛生材料なども
最低3日ほど確保しておきます。

また、
災害で怪我や治療が必要な方が
来院されたときのための準備も別に必要です。

自家発電

停電が起きると、
患者さんの命をささえる
医療機器が使用できなくなる可能性があります。

その他にも、
部屋の電気・トイレ・水道などが
止まってしまう場合もあります。

緊急時にでもすぐに使える自家発電を
準備しておくことが必要です。

災害が起きたときは冷静に対応することが大切

緊急事態のために備品を準備しておくと、
災害が起きたときに冷静に対応できます。

冷静な判断をするには、
事前準備はもっとも必要です。

年に一度は避難訓練のときと同じように、
災害時のマニュアルや備蓄品を
確認したほうが良いでしょう。