病院経営を継続的に発展させるために、
PDCAサイクルを取り入れる
医療機関が増えてきているようです。
医療機関で利用されるPDCAサイクルとは、
患者さんに対する医療や業務の内容を
改善するなど、計画から改善までの
サイクルを繰り返すことをさしています。
PDCAサイクルを実行すると
・業務の見直しができる
・採用するまでの工数を減らせる
・良い人材が採用できる
などのメリットがあるといわれています。
今回は、医療機関での導入を検討いただきたい
PDCAサイクルの内容について
ご紹介します。
毎日の業務の中でとりいれるPDCAサイクル
PDCAとは、
・Plan(計画)
・Do(実行)
・Check(評価)
・Act(改善)
の頭文字をとったものです。
目的に合わせた計画を立て、実行し、
その結果を見直したあと、
改善点を考えるという仕組みのことをいいます。
集患するために必要なもののひとつに
患者さんへの対応があるかと思います。
医療機関で働くスタッフは、
医療のプロであると同時に、
患者さんへの対応にも
力をいれていく必要があるかと思います。
患者さんが勇気を出して電話をしてきたのに、
「質問に答えられなかった」
「待たせてしまった」
などの不安感を与えることは
避けなくてはいけないからです。
そのためには、
普段からPDCAサイクルを活用し、
継続的に業務を見直すことは大切です。
業務を改善するために活用できるPDCAサイクル
電話応対は毎日の業務の中で
避けることのできないものですよね。
患者さんはスマートフォンで
予約をすることもできますが、
電話でいろいろ聞いてみたいという方もいます。
そこで今回は、PDCAサイクルを
活用した電話応対について考えてみましょう。
Plan
毎日どれくらいの電話がかかってくるかを
把握してみましょう。
問い合わせのあった方からは、
できるだけ来院してくださるように
話をしてみてはいかがでしょうか。
できれば、具体的な目標人数を決め、
誰がどの業務を担当するかなどについても
計画を立てておくとスムーズかと思います。
Do
電話をかけてきた人は、何人来院してくれたか、
電話に出た人は患者さんの質問に
答えられたかなどをメモに残します。
患者さんからクレームがあった場合は
くわしく報告することを
業務の1つにしてみましょう。
他には
「具体的にどんな治療を求めているのか?」
「どんな検査をしたいのか?」
などをまとめリスト化します。
Check
これまでの結果をふまえて、
「なぜ来院してくれなかったのか?」
「なぜ質問に答えられなかったのか?」
クレームが起きた原因などを
それぞれまとめておきます。
具体的な電話を受けた件数や
クレームを受けた件数、来院にいたった件数などの
数値を把握することも重要です。
また、スタッフ同士で問題が起きた原因や
解決方法について話し合いをすることも大切です。
Act
今後の電話対応につながる
改善案・目標案をまとめます。
これまで作られていたマニュアルを改善することも
場合によっては必要になるかもしれません。
今回の計画で良かったことは、
スタッフにも報告し、これからも続けていきます。
判断が難しいもの、
なかなか結果がでないものについては、
計画が正しかったどうかの判断も必要です。
次のPlanにつながるように行動し、
またPlanからActまで改善を続けていきます。
人材を採用するときに活用できるPDCAサイクル
PDCAは採用活動にも活用することができます。
例えば、
「自院の考え方をはっきりと示していなかった」
「看護士にとって魅力的な内容が少なかった」
「そもそも応募数が少なかった」
などです。
これに対して改善点は
「自院ではどんな人を求めているかを
具体的に書く」
「看護士が自院で働くには
どのようなメリットがあるかを書く」
「ホームページだけでなく求人媒体を利用する」
これらの反省点をもとに、
PDCAサイクルを活用していきましょう。
Plan
前回の採用方法を見直し、
具体的な採用計画をたててみます。
次に、採用計画にしたがって
ホームページの改善計画をたてます。
新卒を採用する場合、経験者を採用する場合に
わけて考えることも時には必要です。
Do
次に、新しい人材を採用するために
ホームページで募集をします。
また、応募数が少なければ
求人媒体で募集することも必要です。
面接は、どのような質問をしたか、
逆にどんなことを聞かれたかをまとめます。
自院を知ってもらうために見学してもらうことも
取り入れてみてはいかがでしょうか。
Check
面接が終わったら、応募してきた人の情報を
収集しておいた方がいいでしょう。
例えば、何を見て応募してきたか、
応募してきた理由などです。
Act
これまでの内容をもとに次の採用に向けて
見直しをします。
また、自院で必要な具体的な人材を
考え直すことも大切です。
例えば、
急性期の医療機関で働いた経験がある
→とっさの判断が得意な人
慢性期の医療機関で働いた経験がある
→じっくりと患者さんと向き合える人
など
自院で必要な人員には何が必要なのかを
具体的に洗い出します。
PDCAサイクルによって継続的に業務を改善していく
毎日の業務の中で、
大きな問題があった場合は、
その都度解決してきたという方も多いでしょう。
しかし、じっくりと時間をかけなければ
解決できない問題もあります。
そのような問題を継続的に改善していける
PDCAサイクルを活用していきましょう。
小さな問題から大きな問題まで、
またこれまで問題とならなかったものも
見直すこともできます。
自院で働くスタッフのために、
そして来院してくれる患者さんのために、
継続的に業務を改善することで快適に働ける
環境そして、患者さんのニーズに合わせた
クリニックを目指していきましょう。