「あの患者さん、いつも話が長いなぁ。」

と思ったことはありませんか?

「できるだけ、
患者さんの話を聞きたいけれど、
適度に切り上げるにはどうすればいいのだろう」

と思う方もいるでしょう。

もちろん、
患者さんの質問には
できるだけお答えしなければいけません。

それでは
どのような対応をしていけばいいのでしょうか?

また、患者さんはなぜ長話をするのでしょうか?

今回は患者さんが
なかなか帰ってくれない理由や
対応方法について説明していきます。

患者さんがなかなか帰ってくれない理由

病院に来る患者さんは、
体調が悪かったり、
治療に不安を感じたりなど
いろいろな思いで病院に通っています。

しかし、
患者さんの中にはこのような思いを
上手に伝えられないことがあります。

そのため、
話が長引いてしまうのです。

それでは、具体的にどんな理由が
あるのか考えてみましょう。

治療内容に納得していない

患者さんは、
自分の病気や治療内容に不安を感じているため、
いろんなことを質問したくなります。

医療関係者は当たり前のことでも、
素人にはわからないことがたくさんあるでしょう。

例えば、

「今日予防注射をしたけど、
お風呂に入っていいの?」

「どれくらい調子が悪くなれば
病院に来ればいいの?」

などです。

そもそも、
何を質問していいのかわからない方もいます。

もっと話を聞いて欲しい

話が好きな方、
普段話し相手がいない方は、
なかなか帰ってくれないことがあります。
これは、比較的年配の方に多い印象です。

話をよくよく聞いていると
病気の話だけではなく、
自分の身の回りの話や趣味の話をしている場合も
あるでしょう。

これは、ただ話をしたいだけでなく、
うまく自分の思いを伝えられないという場合も
考えられます。

患者さんの話が長引きそうな場合の対応方法

患者さんがなかなか帰ってくれない場合、
どのように対応すればいいのでしょうか?

病院側の都合ばかり伝えるのではなく、
相手の気を悪くさせないことが大切です。

そこで、
患者さんの機嫌を損なわずに
帰ってもらう方法を3つご紹介していきます。

次の予約が入っている

いつも通っている患者さんで
話が長くなりそうなら

「申し訳ありませんが、
次の予約が入っているので
あと少ししかお話できないのですが…」

と相手に伝えておきましょう。

患者さんは、
自分が長話をしていることに
気がついていない
場合もあります。

一呼吸入れることで
患者さんも
自分の気持ちをまとめることが出来ます。

役割分担をする

看護師が別の部屋で説明をするなど、
それぞれの専門職と話ができるような環境を
作っておきましょう。

あらためて違う場所で話をすることで、
患者さんの気持ちを落ち着かせることもできます。

例えば、

  • 簡単な相談は看護師
  • お薬のことは薬剤師
  • 保険などの支払いは受付

といったように話の内容に合わせるのです。

それぞれの担当者から明確な答えを得ることで
患者さんの満足度も高くなります

話を誘導する

患者さんの話が長くなってきたら、
話を途中で変えてみましょう。

例えば、
治療とはまったく関係ない話をしていた場合

「それでは、今日はこの薬で
様子をみてみましょう。」

といったように話をまとめてしまいます。

また、

「◯◯さんもお忙しいと思うので。」

「お時間は大丈夫ですか?」

といったような話をしてみてもいいでしょう。

どうしても理解してもらえない場合は、
時間をおいてみる
というのもひとつの方法です。

また、
質問内容をあらかじめまとめてもらう
という方法もいいでしょう。

時間をおくと、自分が聞きたかったことなど
冷静に判断できるようになります。

他の患者さんへの対応方法

患者さんが
受付など他の患者さんの前で長話をしていた場合、
他の患者さんにも影響を及ぼしてしまうことが
あります。

受付で話が長引いてしまった場合には、
担当者に引き継ぎましょう。

受付で世間話が始まってしまったときは、
電話をとるなど少し席をはずすのもいいでしょう。
忙しさを態度であらわすのもひとつの方法です。

診察が長引いてしまった場合は次の順番の方に

「申し訳ありません。
前の方の治療が長引いています。」

と伝えることが必要です。
一言声をかけてもらうだけで、
「自分のことは忘れられていないんだな」
と安心できます。

患者さんの気持ちを知ることが大切

患者さんはなぜ話が長くなってしまうのか
理解することが大切です。

「治療に納得していない」

「ただ話を聞いて欲しい」

などの場合、
いきなり話を途中で終わらせるのではなく、

「なるほど。」

「大変でしたね。」

など
患者さんの気持ちを理解しているということを
相手に伝えましょう。

最後に

「今日は診察を受けて頂いてよかったです。
また何かあったらいつでもご相談ください。」

と伝えておくと、患者さんは

「長話で迷惑をかけてしまったのでは?」

と思いを払拭することができます。

また、
患者さんとの長話は病院側だけでなく、
患者さんの負担になってしまう場合もあります。

できるだけお互いが
気持ちよく付き合っていけるように
配慮していくことが必要
となっていくでしょう。