現在は
「国際化」「ボーダーレス化」の時代
と、よくいわれます。

平成30年の外国人観光客の人数は、
史上最高となる3000万以上を記録しています。
また、数年前から「世界4位の移民大国」
というフレーズを見かけることが多くなりました。

以上の流れは
医療機関においても大きな影響を及ぼします。

もともと日本の医療に対する評価は悪くありません。

アンチエイジング診療を専門とする医療機関でも
外国からの患者がきたときの受け入れ方を
考えておくことはとても大切
ではないでしょうか。

今回は外国人患者を受け入れる際の注意点を
ご紹介いたします。

外国人患者の来院時に注意すべきポイントとは? 

外国人患者が来院した際の注意ポイントは
2つあります。

言葉の問題

外国人患者が来たときに、
必ず気になるのがこの問題でしょう。
やはり、
コミュニケーションができないのでは
診療が進みません。

それに
ある程度日本語で会話できる患者の場合でも、

  • 複雑な会話に対応できるとは限らない  
  • 会話はなんとか可能でも
    読み書きが苦手ということもありうる

という可能性は否定できません。

たとえば救命医療をやっている機関なら、

「全然日本語をしゃべれない患者が運ばれてくる」
 
「しかし即座に治療を開始しなければならない」

という厄介な事態が生じる恐れ
じゅうぶんに考えられるわけです。

その点自由診療の場合は、
予約制で運営されることも多いですし
余裕があるといえます。

また、
日本の健康保険制度に加入していない
外国人の場合は、
保険診療であっても自由診療での請求になるなど
ややこしい問題が出てくるのですが
もともと自由診療を専門にしているのなら、
その点でも有利に働きます。

支払いの問題

外国人患者に関して、
この問題もしばしば物議をかもしてきました。

旅行者の場合で無視できないのは
「未払い問題」でしょう。
定住している外国人であっても、
突如として帰国してしまったという話は多いです。

未収金リスクへの対策として、
連絡先はもちろんのこと、
どうやって支払うつもりなのか

きちんとした回答を得る必要があります。

外国人患者来院時のためにできることは? 

万が一、外国人患者が来院した際には
4つのポイントに絞って準備する必要があります。

通訳の手配

英語や中国語といった、
メジャーな言語を使いこなせる通訳
いてくれると大助かりですね。

現在は
医療通訳士」という資格がありますし、
通訳の派遣を依頼できる団体も
徐々に増えています。

地域の医師会が通訳士について
斡旋してくれるケースが増えていますし、
民間の団体をインターネットで
探すことも簡単です。

これらのサービスを利用して、
外国人からの問い合わせがあったら
事前に手配しておくとよいでしょう。

訓練を受けた通訳士は
外国語を操れるというだけでなく、
医療関係の知識もある程度教わっている
という大きなメリットを持っています。

とはいえ、
医院に来てもらえない場合も多いでしょう。

その場合は、
電話やタブレット端末を用いた
「医療通訳サービス」を使うと便利ですね。
この医療通訳サービスは、
対応している言語が増えていますし
利用するにあたって時間があまりかからない
というメリットもあります。

医療通訳サービスのご案内をご希望の方は
お問い合わせフォーム
よりご連絡ください。

なお、
患者が自ら通訳を同行することも
最近は増えています。

たとえば、
美容関係のアンチエイジング診療を求めて
来日する中国からの患者は近年目立ちます。
このような需要に応えるために、
通訳を養成して患者に紹介している機関も
登場しているほどです。

通訳同伴の外国人患者を迎えたときは、
通訳のコミュニケーション能力や知識量を
よく確かめましょう。

語学力も重要ですが、
医療の知識も重要です。
そのどちらかが欠けている通訳の場合、
誤解および誤診の原因が
生じてしまう恐れがあります。

また可能であれば、
その通訳の連絡先や所属先もメモしておくほうが
安全でしょう。

資料の準備

英語や中国語といった話者が多い言語に関しては、
ある程度の内容を、
前もって書面で用意しておく

という手も考えられるでしょう。

実際に厚生労働省では

「診療申込書」

「院外処方せんの説明」

といった具合に
目的別の資料を各国語で無料公開しています。
各自治体でも公開しているところが
徐々に増えています。

これらをそのまま使っても構いませんが、
自院の内容に合わせて
アレンジして使うといっそう効果的
でしょう。

クレジットカード決済

クレジットカードが普及している国は
とても多いです。
海外では、防犯等の目的から
キャッシュレス化が日本より進行しています。

VISAやMaster、Amexといった
加盟国の多いブランドで
支払えるようにしておくことは、
外国人受け入れにおいて必須といえるでしょう。

診療時間の確保

日本人の患者と比べて、
説明や治療に時間がかかることが多いです。

このため外国人患者の予約を受けるときは、
やや長めに時間を割くことも有効な手です。

まとめ

アンチエイジング診療で名声を高めていくと、
外国人患者が増えても不思議ではありません。

今では国や自治体も
そのためのサポートをしてくれていますし
利用できるサービスが増えています。

利用できるものはどんどん利用して、
普段から準備を進めておくことが
いちばんでしょう。

そのほうが慌てなくて済みますし
うまくいけば、
外国からの集患にも成功する絶好のチャンス
となります。

ぜひ、この記事の購読を機に
準備を進めてみてはいかがでしょうか。