待合室は、病院の中で患者さんが
一番落ち着いて過ごせる場所です。

診察の前の緊張を和らげるためには、
まわりの環境だけでなくスタッフの心遣いが
もっとも必要です。

少しでも患者さんに
気持ちよく過ごしてもらうために、
自由診療だからこそやっておきたい
待ち時間対策を紹介します。

患者さんの様子を常に観察し声を掛ける

待ち時間が長くなると患者さんが気になるのは、
スタッフの行動です。

「なぜこんなに待ち時間が長いのか」
「スタッフは何をしているのか」
「解決するために行動しているのか」
など、とても気になります。

そこで、このようなときに活躍するのが
受付スタッフです。

受付スタッフは、
受付にいるだけが仕事ではありません。

例えば、受付を出て患者さんの近くに行き
声を掛けてみてはいかがでしょうか。

「時間がかかって申し訳ありません。
あと〇〇分ほどかかります。」
「部屋の中は暑く(寒く)ないですか?」
などです。

また、患者さんはスタッフに
何か伝えたいこともあるでしょう。

例えば、
「薬を飲みたいので水がほしい」
「子供のお迎えがあるので、少し外出したい」
などです。

待ち時間が長いと、
さらに患者さんは気になることが増えます。

どんな小さな要望にも対応できるように、
受付スタッフが待合室の中に出て
定期的に歩き回ったり本を片付けたりしてみても
いいでしょう。

居心地のよい環境を整える

次に患者さんが気になるのは、待合室の環境です。

待合室は患者さんが一番長く過ごす場所なので、
退屈しない場所づくりも大切です。

・院内に流れる音楽は患者層に合わせる

院内に流れる音楽も
患者層に合わせた選択が必要です。

病院のBGMはリラックスさせるための音楽を
利用されることが多いですが、
若い方が中心であれば、
J-POPなど流行の音楽をかけたり、
年配の方であれば、
懐かしい童謡などをかけたりするのも
効果があります。

他には、心を落ち着かせるためであれば
クラッシックもおすすめです。
クラシックは患者さんだけでなく
スタッフの気持ちを落ち着かせるためにも
効果的です。

忙しい日や、難しい治療が重なったときにも
冷静に対応できるので
待ち時間を減らすことが期待できます。

・治療内容の順序や内容などをファイリングしておく

自由診療でしかおこなわない治療は、
どんな治療をおこなうか気になります。

そのような方のために、
治療の内容や順序、効果などを
具体的にまとめた書類をファイルして
おきましょう。

例えば、いくつかの治療法を紹介すると、
患者さんは別の治療を
試してみたくなるかもしれません。

患者さんの知りたい要求にこたえるためにも
その治療に合わせた雑誌や本などを
集めてみてもいいでしょう。

このような情報を前もって知るだけで
安心して治療を受けることができます。

いつでも外出できるように体制を整える

患者さんがいつでも外出できる
状況を作っておきます。
そのためには安心して外出できるシステムや、
外出したあとの行動を考えてみましょう。

・待ち時間が増えたら予約システムを取り入れる

待ち時間が長くなる日が多くなってきたら、
予約システムをとりいれましょう。

スマホから予約できるものをとりいれると、
外出しても自分の順番が
いつ回ってくるかわかるので
患者さんのストレスを減らすことができます。

また、スタッフの負担が減るので
患者さんの待ち時間を減らす効果も
期待できます。

・近くのお店や時間つぶしができる場所などの資料を作る

待ち時間の間に外出する方のために、
近所にどのようなお店があるのか、
簡単に資料を作っておきます。

クリニックでニュースレターを作成している場合、
ご近所のおすすめスポットなどの
情報を取り入れてみてもいいでしょう。

ちょっと休憩できるようなカフェや、
おいしいランチがあるお店など喜ばれます。

待合室に患者の体験談を書いたノートを置く

自由診療の場合、
その病院の独自の治療の場合があります。
そのため治療に対して、
不安な気持ちを抱えながら
受診する人もいるでしょう。

そのような方のために、
その治療を受けた方の体験談を
ノートに書いてみてもらってはいかがでしょうか。

しかし、最初はなかなか書いてくれる人が
いないかもしれません。

そのようなときは、先生が患者さんに
「できれば感想を書いてもらえないでしょうか?
今後の治療の参考にさせてください。」
などというと患者さんは書いてくれるでしょう。

また、患者ノートがたまってくると、
「私も書いてみようかな?」
という患者さんも増えていきます。

特殊な病気の悩みを抱えている人たちの間で、
コミュニケーションがとれるように
してみてもいいでしょう。

例えばお茶会をしてみたり、
ヨガ教室などをしてみたりといった方法です。
同じ悩みを抱えた人が集まると結束力が高まり、
病院に来るのが楽しみになります。

自由診療だからこそ一般診療の病院との差別化が必要

自由診療は一般診療に比べ治療費が高いです。
そのため、一般診療に比べレベルの高い治療を
求められることが多くなります。

患者さんの希望にこたえるためにも、
病院に入った瞬間から
気持ちよく過ごしてもらうことが大切です。

なぜなら少しの不満でもあれば、
患者さんは治療内容にも
不満を抱きやすくなるからです。

病院だからこそ
注意しなければいけない点はたくさんあります。
患者さんが気持ちよく過ごせるようにするために、
もう一度患者目線になって考え直してみましょう。