「最近患者さんのクレームが増えた」
と感じる方はいませんか?
もしかしたら、
新たな問題が発生しているのかもしれません。
もちろん、すべてのクレームがクリニック側に
否があるということはありません。
しかし、患者さんがクレームを言うということは、
なにかクリニック側に不足していることがあると
考えてもいいでしょう。
今回は、患者さんのクレームから
患者満足度を上げる方法を紹介します。
クレームは気付かなかった問題点を知ることができる
患者さんにいわれて、初めてクリニックの問題点を
知ったという方もいるでしょう。
例えば、
「診察室の話している声が、
待合室に聞こえていた。」
「いつ呼ばれるかわからないし、
いつまで経っても呼ばれない。」
などです。
それでは、具体的にどのようなクレームが
一般的に多いのか紹介します。
厚生労働省の「外来患者の項目別満足度」
によると以下のように報告されています。
・外来患者の項目別満足度
高いものから順に紹介すると
- 待ち時間:30.6%
- 診療・治療に要した費用:24.0%
このふたつがダントツに多く、
- 医師に診てもらっている時間:8.8%
- 医師との対話:7.2%
- 医師による診療・治療内容:6.6%
- 診察時のプライバシー保護の対応:4.3%
これらの4つは数%となっています。
参照:厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jyuryo/09/08.html
患者さんが感じている不満の多くは、
待ち時間や費用ということがわかります。
それでは、「待ち時間」や「費用」は
どのようにすれば改善できるのでしょうか。
「待ち時間」「費用が高い」といったクレームを解消するには
患者さんが感じている不満を解消する方法
について考えます。
・「待ち時間」
先ほどの調査を見てわかるように、
待ち時間に対するクレームは、
クリニック側にとって大きな問題となっています。
「予約していたのになかなか呼ばれない。」
というクレームもあるでしょう。
あらかじめ患者さんに、
「混み合っているときは、
1時間以上お待ち頂く場合もあります」
と書かれているクリニックもありますが、
会社で働いている方は
長い時間待つことができません。
待ち時間に不満を感じている患者さんのためには、
抜本的な対策が必要です。
1.予約システムを導入する
最近の予約システムは、
スマートフォンからできるものも多く、
来院しなくても予約をとることができます。
2.受付から診察までの流れを見直す
受付でカルテの記入や準備に
手間取っている場合があります。
実際に、どの程度の時間がかかっているか
もう一度確認しておくといいでしょう。
スタッフが足りないのであれば、
増やすことも考えなければいけません。
・「費用」
特に自由診療を行っているクリニックで
注意したいのは費用です。
自由診療の場合、
「思っていたよりも高かった」
「もし高額な費用を請求されたらどうしよう。」
と思っている人も少なくありません。
費用で不満を感じるのは
患者さんの負担が大きいと感じる場合です。
少しでも患者さんの
クレームにならない対策を紹介します。
1.治療を受ける前に費用について説明する
自由診療の場合、
費用を明確にしておかなくてはいけません。
治療が始まる前に、
この治療はこれくらいかかるなど
提示しておくことが大切です。
もし、それ以上かかる可能性がある場合は、
最初に話しておきます。
2.患者さんに質問される前に準備しておく
患者さんになぜ費用が高いのか
聞かれることがあります。
- 自由診療の仕組み
- 保険診療でできること
など、説明できるように準備しておく
ことが大切です。
すべてのスタッフが答えられるように
マニュアルを作成しておくといいでしょう。
クレームが起きた場合の対処法など
クレームが発生した場合、
どのような対応をするか考えておきましょう。
1.責任者に報告する
クレームを受けたら、
すみやかに責任者に報告することが大切です。
経験の少ないスタッフが対応すると、
その場しのぎの対応になることも多く、
さらに問題が大きくなる場合もあります。
2.別の場所に移動する
患者さんもこれまでの小さな不満が大きくなり、
感情的になっている場合がほとんどです。
冷静に話をしてもらうためには、
別の部屋で話をすることが必要です。
3.院長に同席してもらう
責任者だけでなく、
院長など上司に同席してもらうことも大切です。
院長が同席すると、
患者さんも自分の話を聞いてくれる
という安心感を得ることができます。
4.患者さんの話を最後まで聞く
患者さんは、なぜ問題が起きているかを
相手に伝えたい場合がほとんどです。
できるだけ、患者さんの話をさえぎることなく、
最後まで時間をかけて話を聞きましょう。
話を聞いてもらうだけで
患者さんは納得する場合があります。
5.その場で解説策を提示しない
重要な決断をせまられた場合は、
その場で解決しないようにすることが大切です。
例えば、
「なかなか病気が治らないので治療法が悪い。
慰謝料を出してほしい。」
などと言ってくる場合もあります。
この場合は、問題が大きくなる場合があるので、
弁護士など専門家に相談することが
必要な場合もあります。
クレームは患者満足度をあげ、さらによいクリニックを目指すことができる
クレームが起きたときの対応の良し悪しで、
次にまた来てくれるかどうか、
良い口コミをしてくれるかにかかってきます。
クレームが発生しないためには、
どのようなクレームが発生しやすいか、
患者さんのちょっとした話の中から、
不満を感じとることも必要です。
小さなクレームのうちは、
まだまだ改善する余地があります。
安定したクリニック経営を
維持していくためには、
患者さんのクレームをもとに
満足度を上げる方法を考えてみましょう。