自由診療は、
医療費が高額になる場合が多いため、
治療内容に納得してもらうことが必要です。

しかし、
どれだけ一生懸命説明をしても
患者さんにうまく伝わらない場合もあります。

それは、
医療従事者が伝えたいことだけを
一方的に説明しているから
かもしれません。

患者さんが治療の内容に納得できなかった場合、
クレームにつながる可能性があります。

患者さんに伝わらなかった経験がある方は、
もう一度説明の仕方を見直してみたほうが
いいかもしれません。

今回は、
自由診療で高い医療・商品を
すすめるときに気をつけたいこと

についてご紹介いたします。

場をなごませるためにアイスブレークをとりいれる

医療や商品をすすめる前に
場をなごませることで、
患者さんをリラックスさせてみては
いかがでしょうか。

アイスブレークとは、
相手の緊張をほぐすことができる方法です。

「そういえば、前回旅行に行かれたと
お聞きしましたがどうでしたか?」

など、
患者さんの話を聞きます。

もし、話題がなければ、

「こんな話がありますが、興味はありますか?」

などでも場をなごませるきっかけになります。

共通の趣味があれば、
信頼関係はさらに深まります。

無口な患者さんでも、
信頼関係が深まれば本音を話してくれる
場合があります。

また、患者さんに

「まだ、治療は続きますが、
一緒に頑張りましょう!」

などひとこと励ます言葉を添えるだけでも、
治療のやる気につながります。

相手の状況にあった医療・商品をすすめる

保険診療を扱っているクリニックでは、
はじめから保険診療しか希望しない
患者さんがいます。

問診票

「保険診療を希望する」
「自由診療を希望する」
「必要であれば自由診療も希望する」

など希望を聞いておきましょう。

はじめに患者さんの希望を聞いておくと、
気持ちよく治療を受けることができます。

例えば、高額の治療を提案した場合、

「もしかしてこの病院は儲け主義なのでは?」

と思われてしまう場合があるからです。

その場合は、

「なぜこの治療が必要なのか」
「なぜ保険診療はだめなのか」

といった理由をきちんと伝えたほうが
良いでしょう。

いきなり高い商品をすすめない

必要な治療であれば、
高額であってもすすめなくてはいけません。

しかし、
患者さんは必要な治療だとわかっていても、
費用の面で迷ってしまうことはよくあります。

無理にすすめてしまうと、
治療で結果が出なかったとき

「本当はこんな高い治療費を払いたくなかった。」

と思われてしまう場合があります。

高額であればあるほど

「本当にこの治療は効果があるのだろうか。」
「この治療は今受けないとだめなんだろうか。」

など、いろいろな思いがあるからです。

患者さんに治療や商品をすすめる方法
2つあります。

2つの方法を下記にご紹介します。

1.2.3の順番で進める

1つ目は、1.2.3の順番ですすめる方法です。

具体的に、

  1. 保険診療(ある場合)
  2. いつもと同じくらいの自由診療
  3. 高額な自由診療

といった場合です。

もちろん、患者さんの
必要な治療内容に合わせます。

商品の場合、最初にサンプルを
試してもらうのもいいでしょう。

逆の順番ですすめる

2つ目は、先ほどご紹介した順番とは
逆の順番ですすめる方法です

具体的に、

  1. 高額な自由診療
  2. いつもと同じくらいの自由診療
  3. 保険診療(ある場合)

といったすすめ方もあります。

「本当はこれだけの治療が必要ですが
高額な自由診療)、
今日はこれだけにしておきましょう。
いつもと同じくらいの自由診療)」

「でも、もう少し様子をみたいのならこの方法
保険診療)もありますよ。」

といったすすめ方です。

治療内容の説明の仕方にも強弱が必要です。

必要な治療は詳しく、
それほど必要でない治療は簡単に。

これまで他の人が受けた治療結果について
話をすると信ぴょう性が高くなります。

患者さんに必要な理由をきちんと伝える

医療従事者は患者さん側の
考えばかりを追い求めてはいけません。

本当に必要な治療は、
はっきりとすすめることが大切
です。

「少し費用はかかりますが、
この治療を受けることをおすすめします。」

と言い切ることです。

患者さんに気を使って

「高い治療はすすめにくい。」

という思いがあると、
その気持ちが伝わる場合があります。

患者さんは

「本当に大丈夫なのかな…?」

と思うかもしれません。

最後はかならず「質問はありませんか?」と聞く

最後にかならず質問がないか聞いたほうが
いいでしょう。

ただし、
患者さんはいろいろな説明を聞いたため、
頭の中が整理できていないかもしれません。

患者さんが納得していないようなら、
待合室で少し考える時間を作ってもいいでしょう。

落ち着いているようなら、
看護師が声をかけてみます。

一息おくと、頭の中が整理されるため、
聞いておきたいことを思い出すかもしれません。

普段から、待合室で話かけるなど、
話しやすい環境を作っておくのも
ひとつの方法です。

まとめ:患者さんとの信頼関係構築から始めてみてはいかがでしょう?

信頼関係を築くことができれば、
患者さんも気持ちよく治療を
受けることができます。

時間をかけて話し合いをすることは、
患者さんとの信頼関係を
築くためにとても大切
です。

信頼関係が築けていれば、
途中で治療をやめるというケースも
少なくなるでしょう。

治療が終わるまでに
どれだけの費用がかかるかも、
はじめに説明しておくことが大切
です。

高額な治療費を提案することは
気が引けるかもしれませんが、
患者さんのために提案することなので、
決して、遠慮することはないと思います。

ぜひ、今回の記事を読んで
患者さんへの説明方法の検討と併せて
実践してみてはいかがでしょうか。