前回は「ランチェスター戦略」をテーマに、
記事をアップさせていただきました。
(前回の記事をご覧になりたい方はコチラ

おかげさまで、
多くのフィードバックを頂戴しております。

しかし前回は、
限られた文字数の中で
とても奥が深いランチェスター戦略を
取り上げたため
説明し切れない部分が残ってしまいました。

そこで今回は、
ランチェスター戦略の具体例を交えながら
解説を試みることにいたします。

ランチェスター戦略、最初はどこに目を向けたらいいのか

『いきなり
「ランチェスター戦略を立てよう!」
と言われても、
何からはじめたらいいか、全然わからない…。』

そのような感想を漏らす方は、
医療界・一般のビジネス界に共通して
とても多いです。

しかし、
以下の観点に目を向ければ、
糸口はつかみやすくなるかと思います。

それは

  • 地域での競争
  • ターゲット患者層の詳細
  • 診療内容の(詳細な)優位性・セールスポイント
  • 院内における、何らかの優位性・セールスポイント

以上が解決の糸口として、
手助けをしてくれるかもしれません。

これらを整理すると、
ランチェスター戦略の導入は
楽にチャレンジできます。

アンチエイジング診療の場合のおすすめ手順

前項では、
ランチェスター戦略を検討する際に目を向けるべき
ポイントをご紹介しました。

では、紹介したポイントを踏まえて
具体的にどのようなことに取り組んでいけば
いいのでしょうか?

これから、具体的な取り組み事項の例を
ご紹介します。

開業しているエリアで競合する他の医院のリサーチを徹底的に行う

医療機関の経営で
大きくものをいうのは、
地域での競争の影響でしょう。

アンチエイジング診療は、
かなり遠方の地からも
患者が集まるチャンスが多いですが、
まずは開業エリアでの習慣が大切でしょう。

ネットで検索すれば、
このリサーチは難しくありません。

患者の目線になって検索してみましょう。

近隣の患者は普通
「地域名×診療内容名」で検索します。

例を出すなら

「千代田区 美容皮膚科」
「天王寺区 アンチエイジング診療」

といったキーワードで検索してみるわけです。

こうして
近隣の競争相手のサイトから、
診療内容やサービス内容をよく調査しましょう。

調査事項の例として、

  • 自身の医院と比べて、何が優れているのか?
  • 自身の医院と比べて劣っている点はどこか?
  • 特に狙っている患者はどんな層なのか?
  • その他、地域の住民の状況

これらの点を中心に
調べ上げてみると良いでしょう。

自身の医院がナンバーワンになれるチャンスを徹底分析する

競争相手の最新状況を詳細に調べ上げたら、
「自身の医院が勝てる条件」
探り出さないといけません。

たとえば
「世間でニーズのある診療メニューは
ひと通り対応できるものの、
いまいち儲かっていない美容整形外科」
といった医院があるとします。

この医院が他の医院と差別化をして集客をするには
どういった点に着目をして差別化を図れば
良いのでしょうか?

下記に医院を取り巻く状況の例と
状況を打開するための差別化方法の例を
ご紹介します。

リフティングやレーザー脱毛をやっているところが周囲になぜか少ない

可能な範囲で、
これらのメニューに力を入れ、
宣伝をかけるのが妥当でしょう。

オフィス街が近いのに、診療時間が早めに終わる医院が多い

診療時間やカウンセリング時間の
適宜変更を実行して、
帰宅間際の会社員でも
立ち寄れるようにすべきでしょう。

購入予定だった医療機器を近隣のライバル医院が最近買って、PRしていることが発覚した

可能であれば、
同じくらいのスペックを持っている
異なる機器を手に入れてPRしたほうが
正解でしょう。

もちろん
今取り上げた例は
かなり単純明快なものばかりです。

これほど
簡単にはいかないことがほとんどでしょうが、
ライバルが狙っていない要素を
できる限り探して、
その要素を用いた経営戦略を検討する
ことが
大切なのです。

戦略が固まったら、その範囲で勝つべく最大限の努力をする

ランチェスター戦略はとにかく、
「限られた条件下で局地戦を仕掛ける」こと
がポイントです。

戦略の方向性が確定したら、
その中でナンバーワンを目指すべきです。
2位や3位で満足するのでは、
じゅうぶんな成果が出なくなる恐れがあります。

宣伝をかけるときの注意点

さて、現在は
医療機関の集患戦略に
医療法が厳しい制約を課している
時代です。

Webサイトを筆頭に、
さまざまな宣伝方法を選べますが
医療広告ガイドラインに背かない範疇で
アピールするしかありません。

厚生労働省のサイトから
最新の資料を手に入れるなどして
違法なコンテンツを公開しないように
気を付ける必要があるでしょう。

まとめ

ランチェスター戦略は、
自身の医院の成長を目指すにあたり
妨げとなるライバル医院の
状況を調査することから
はじめるのが無難
でしょう。

調査の途中で、
自身の医院が勝てそうな要素を探し出して、
その要素を活用する経営戦略を立てては
いかがでしょうか。

今ならネット検索で、
かなりの情報収集が可能です。

ただ自身の医院の強みを
PRする際は、表現には特に気を使うように
意識したほうが良いでしょう。