クリニックではどのような悩みがありますか?
「患者さんがなかなか定着しない」
「患者さんからのクレーム対処に困っている」
などある方もいるかもしれません。
厚生労働省が発表した
- 外来患者の構成割合
- 病院の種類
- 満足度の項目
- 満足度別
の4つの項目に分けて調査を行った結果、
患者さんは次のような不満を
感じていると報告されています。
「診察までの待ち時間」26.3%
「診察時間」7.4%
「医師による診療・治療内容」5.5%
「医師以外の病院スタッフの対応」3.8%
「診察時のプライバシー保護の対応」3.0%
患者さんが
クリニックに対して不安を抱かないように、
また不満を持たないように
事前に対処する必要があります。
今回は、患者さんが不満を持たないために
取り組むべき内容をご紹介します。
クリニックでできる解決方法
患者さんが不満を持つ内容に関しては、
先ほどご紹介しました。
それでは、その不満に対してクリニックは
どのようなことに取り組んでいけば
良いのでしょうか?
患者さんが不満を持つ内容順に
ご紹介をしていきます。
診察までの待ち時間
自由診療で
予約システムを導入しているクリニックでも、
時間通りに診察ができないことがあります。
それは、
「自由診療だから
じっくり時間をかけて診察をしたい。」
「患者さんの要望にはできるだけ答えたい。」
という気持ちがもちろんあるのでしょう。
しかし、待合室にいる患者さんは
「予約しているのになぜ時間通りに
診察してくれないのだろう?」
と感じます。
では、このような不満を感じさせないためには、
どのような対処法があるでしょうか?
例えば、
- 外出できるようにする
(時間が近くなったらスマホで連絡するなど) - 仕事や勉強など
個別に作業できる場所を用意する。 - 本やタブレットなどを準備する
- 飲み物や軽食を用意する
- アロマや音楽を利用する
などを考えてみましょう。
これらは、自由診療をされるクリニックで
実際に行われている方法です。
また、
普段のブログや診察室の壁に、
「予約制ですが、お待たせすることがあります。」
などと書いておくのもひとつの方法でしょう。
また、
クリニック患者さんが到着したときに、
説明しておくことも必要です。
- どれくらい待つか
- なぜ混んでいるか
などの理由を前もって言っておくと
患者さんの不満度はまったくちがいます。
また、ホームページなどに
- ◯曜日は混み合います。
- ◯曜日は空いています。
などと書いておくのもいいでしょう。
患者さんの待ち時間に対するストレスは、
クリニックのスタッフにも
負担をかけてしまいます。
事前に患者さんに
待ち時間や診療の混雑時間を案内することで、
患者さん・クリニックのスタッフ両者に
負担をかけないで済むようになります。
診察時間
自由診療の場合、
じっくり時間をかけて診察を受けているので、
一般の病院のように
「診察時間が短い」
という不満はないでしょう。
ですが、
「混み合っているから、少し早くしよう。」
と患者さんの回転率を上げることを
優先してしまうと、
その考えが
患者さんに伝わってしまいます。
どれだけ忙しくても
平常心でいることが大切です。
医師による診療・治療内容
診療・治療内容にはどんな不満を
感じているのでしょうか?
例えば、
- なにか作業をしながら、
患者さんに話しかけていませんか?
- 淡々と患者さんと話をしていませんか?
もしかしたら、
患者さんは初めての病気で
戸惑っているかもしれません。
患者さんが思っていたよりも
重い病気だと告げられた場合、
医師の話が頭の中に
入ってこないこともあるでしょう。
そのため、あとで
- そんなことは聞いていない
- なぜこんな治療をするの?
と言い出す方もいるかもしれません。
こんなことが無いように、
- 重要な話は紙に書く
- 小出しにする
といったように
ちょっとした工夫をすると
患者さんも安心します。
もし、
本人が理解できない場合は、
家族の方に付き添って頂くことも必要です。
また、
製薬会社などから配られてる
パンフレットなどを
患者さんに渡すのもひとつの方法です。
医師以外の病院スタッフの対応
医師がどれだけ丁寧な対応をしていても、
他のスタッフに不満があれば
クリニック全体に対して不信感をいだきます。
例えば、
- 受付の対応がきつい
- なにを聞いても答えが帰ってこない
- いつも顔がけわしい
といったことが続くと
患者さんは不信感をいだきます。
「もしかしたら、このクリニックは、
従業員教育がうまくいっていないのかも」
「人間関係が悪いのかも」
と思うかもしれません。
また不慣れなスタッフがいれば、
「本当にこのまま通い続けても
大丈夫なのだろうか」
と心配になるでしょう。
クリニックが忙しくなればなるほど、
スタッフの疲れやストレスがたまっていきます。
患者さんの人数が多ければ、
- スタッフを増員する
- 作業をマニュアル化する
などを考えることが必要です。
診察時のプライバシー保護の対応
診察室の声がもれないように、
防音対策しているクリニックも多いでしょう。
しかし、部屋の近くに行けば、
患者さんの話し声が
聞こえてしまう場合があります。
また、
スタッフ同士で患者さんのことを
話したりしていませんか?
もちろん、
患者さんの個人情報は
絶対もらしてはいけません。
患者さんの治療について話をするときは
スタッフ同士であっても
十分な配慮が必要なのです。
例えば、
友だちと外で食事をしたときに、
「ぽろりと患者さんの話をしてしまった」
という方もいます。
このようなことがないように、
普段からスタッフ教育は
しっかりしておくことが大切です。
また、
受付でも個人情報について
十分に配慮しておくことが大切です。
個人的な話は
- 別の部屋で話をする
- あらかじめ紙に書いておき指でさしてもらう
という方法があります。
ある産婦人科では、
「不妊治療の相談」
「婦人科の病気の相談」
といったカードを用意し、
患者さんに指でさしてもらう場合もあります。
患者さんが感じている不満をもう一度考えてみましょう。
患者さんが感じる不満は、
今回紹介した以外にもあるかもしれません。
スタッフ同士でクレームなどを元に、
患者さんがどのような不満を
感じているかを話し合ってみてもいいでしょう。
他職種が連携することで、
あらたな問題がでてくることがあります。
何よりも、
患者さんが不満を感じさせないように
準備しておくことが大切なのです。