患者さんと話をするとき、同じ目線に立って
話をしていますか?

もちろん、相手の気持ちになって
話をしているという方がほとんどでしょう。

しかし、
「患者さんが話を理解してくれているのか
よくわからない」または、
「患者さんがあまり話をしてくれない」などと、
感じている方もいるのではないでしょうか。

そこで、患者さんが普段どんなことを
感じているのかを考えてみましょう。

この記事では、患者さんの立場で考えた
スタッフのコミュニケーションの取り方について
説明していきます。

患者さんが診察室に入ったら、何を考えるのかを想像をしてみる

患者さんの中には診察室に入ると、
緊張してうまく話せないという人はいませんか?

この患者さんはどんなことを
考えているのでしょうか。

  • うまく症状を伝えられるだろうか
  • 重い病気だったらどうしよう
  • どんな治療をするのだろう

というように、
不安なことばかりが頭の中をよぎります。

このような方には、患者さんの立場にたって
行動を起こしていきましょう。

1. 診察室に患者が入ったらまずあいさつをする

例:初診の場合
「おはようございます。
〇〇さんを担当する〇〇です。
よろしくお願いします。」

例:診察が遅くなった場合
「お待たせして申し訳ありませんでした。」

「今日はどうしましたか?」
といったように、
いきなり要件から入ったりしていませんか?

とくに、初診の場合、最初の第一印象が
大きく患者さんの印象を左右します。

2. 患者さんの真似をする

「最近、体調があまりよくない。
疲れがとれません。」

といわれたら、
患者さんの反応や言葉を真似します。

「体調があまりよくなくて、
疲れがとれないのですね。
それはつらいですね。」

または、
「私も、なかなか疲れがとれないことが
あるので、とても気持ちがわかります。」

これは、患者さんの気持ちを
共感するための方法です。

先生もそういうことがあるということがわかり、
親近感を持つことができます。

3. 患者さんに提案する

自分の思っていることを
伝えられない患者さんには、
このように話を進めてみます。

「その他にも、こんなところは辛くないですか?」
「こんな治療もありますが、どうでしょうか?」

患者さんが緊張して忘れていた症状を、
思い出させてくれる場合もあります。

また、自分が思っていない症状を
見つけることもできます。

スタッフの中には頭でわかっていても、
実際におこなっていない場合もあります。

もう一度患者さんの立場になって
考えてみましょう。

アイコンタクトや立ち居振る舞いも大切に

患者さんは、
医師や看護師のちょっとした動作にも
敏感に反応することがあります。

そのため、言葉だけでなく
普段の立ち居振る舞いから
注意しておくことが必要です。

例えば、電子カルテの操作や点滴の用意など、
作業ばかりに気を取られてしまう
場合はありませんか?

このような状態が続くと、
患者さんは対応が事務的に
感じてしまうことも考えられます。

また、受付が混みあっているときも、
周りの状況を把握しておくことが大切です。

忙しくて手が離せないときや、
電話中で患者さんを待たせているときなども、
アイコンタクトをすることで相手に
「気づいていますよ」と伝えることもできます。

さらに、患者さんの横を通り過ぎるときは、
アイコンタクトと笑顔であいさつをしましょう。

このようなコミュニケーションが増えることで、
患者さんとの信頼関係が深まります。

患者さんが決断するために、患者さんのタイプに合わせた説明をする

医療従事者の間では、
患者さんに病気の説明をするとき、
専門用語を使わないというのは
だれしも心がけているでしょう。

ところが、それでも理解できない
という人もいます。

患者さんが理解できているかどうかを
知る方法のひとつに、
患者さんに決断させる
という方法があります。

決断するということは、
自分の治療について責任を持つことにも
つながるので満足度も高くなります。

例えば、患者さんが健康維持のために、
高濃度ビタミンC点滴療法を選択したとします。

しかし、血液クレンジングも気になっていて
どちらか選べないといわれた場合どうしますか?

このような場合でも、
最終的に治療内容を決めるのは患者さんです。

もちろん患者さんに合わせた治療を
すすめるのは大切です。

しかし、無理に
「あなたにはこの治療が向いている」
と伝えてしまうと、
患者さんはその通りにしてしまう
場合があります。

もし、効果がなかった場合、
「本当は別の治療を試したかったのに」
と感じてしまうかもしれません。

患者さんの年齢や立場などに合わせて、
それぞれの治療の良さを説明し、
最終的には治療内容を
決断してもらうようにしましょう。

患者さんの立場になるためには、どんな不安があるかを知っておく

患者さんの考えていることが
よくわからないという方は、
積極的に患者さんと話す機会を
つくるようにしましょう。

例えば、健康に関するセミナーなどを
開催するのもひとつの方法です。

治療だけでなく、
普段の生活からできることを
患者さんに知ってもらういい機会にもなります。

患者さんは、病院に頻繁に通うことによって、
医師や看護師に親近感を与えることができます。

病院は、病気を治療するだけでなく、
患者さんが健康に対する意識を上げるために
知識を学ぶ場所として提供するのも
ひとつの方法ではないでしょうか。