2019年4月より
「働き方改革関連法」が施工されました。

これは、

「個々の事情に応じた多様で
柔軟な働き方を自分で選択できるようにする」

ことを目的としたの改革です。

とくに、
女性スタッフが多いクリニックは、
働き方を見直す場合もあるでしょう。
例えば、
出産・育児・介護休業です。
休業制度は実施されているけれど、
現場では休みをとるのが難しい
という場合もあります。

このような問題を考え、

  • 短時間勤務
  • 交代制勤務
  • フレックスタイム制

といったような
スタッフが働きやすい環境を維持するために
整備することによって、

  • 職場のいじめ
  • ハラスメント

といったような職場内の問題点を
改善したりする場合もあります。
まずは、それぞれの休暇制度、
そして働きやすいクリニックについて
考えていきましょう。

産休・育児休業とは

スタッフが妊娠・出産にともなう休暇を
求めた場合、休暇をとる権利があります。

これを正確には

産前産後休業

といいます。

平成29年10月に改正されており、

  • 産前休業:出産予定日の6週間前
  • 産後休業:出産の翌日から8週間

という決まりがあります。
産休は、
女性であればだれでも取得できる制度です。
正社員だけでなく、
パート・派遣社員でも取得できます。

また、出産したあとは、
育児休業も取得できます。
1歳に満たない子どもを育てている場合、
男女かかわらず会社に
申し出ることにより取得できます。

また、延長することも可能です。
1歳6ヶ月以降も保育園に入れない
などといった場合は、2歳まで延長できます。

ただし、男女ともに取得できますが、
産休とは違いだれでも
取得できるものではありません。
育児休業には取得するための条件があります。
これが産前・産後休業と育児休業の大きな違いと
言えるでしょう。

介護休業とは

介護休業とは、
要介護状態の家族を介護するための制度です。
介護休業は、
介護が必要な家族1人につき、
93日まで3回を上限で分割して取得できます。

介護休暇とは、
要介護状態の家族がいる場合、
1年に5日まで取得できます。

また、
半日単位で取得することが可能で、
残業の免除
などもできます。

これが介護休暇と介護休業の違いとなります。

医療従事者の業務改善がのぞまれている

スタッフは、
人員不足のため休みがとりにくい
問題があります。
ひとり休んでしまうと、
代わりの人がいないという話も聞かれます。

スタッフが休みをとらなければ、
ストレスや疲れがたまり患者さんにも
迷惑をかけてしまう場合があるでしょう。
これらの問題を少しでも解消していく方法に
ついて考えてみましょう。

院内保育所・休憩スペース等の整備

育児休業の延長する理由には、

「預け先がみつからない」

という問題がよくあります。

このような場合は、

「院内保育所をつくる」

という方法があります。
院内で保育所をつくることが難しい場合は、

近くの保育所と連携し、
保育園の費用の一部をクリニックが負担する

という方法もあります。
また、スタッフがいつでも休憩できるように、
シャワー室や横になれる場所など
休憩スペースを用意しておくのもいいでしょう。

フルタイム以外の正職員制度の導入

ある病院では、
育児・介護にかかわらず
短時間正職員の制度を導入しました。
もし、フルタイム働けるようになったら、
もとの正職員に戻ることも可能です。

このように、正職員であっても
いろいろな働き方ができるのです。

子育て・介護をしている人に対する残業の免除

医療従事者は
時間通りに仕事が終わらず、
頻繁に残業があるといったケースもあるでしょう。
子育て・介護をしている人は、
残業を免除する方法があります。
しかし、残業を免除することによって、
他のスタッフに負担がかかってしまう
危険性があるため、業務分担を決めておくと
良いでしょう。

暴力・ハラスメントへの対応

仕事をしながら出産・育児・介護を続けるには、
周りの理解が必要です。
しかし、
周りの方から理解が得られないことが
あります。
また、院内のスタッフだけでなく、
患者さんから暴言などの被害に合うことも
あるでしょう。

このような場合、
未然に暴力・ハラスメントを防ぐために
ハラスメント撲滅のポスターを掲示したり、
万が一、被害に合われたスタッフのケアのために
相談窓口を整備したりすることで
スタッフが働きやすい環境を整備すると
効果的でしょう。

医療スタッフのキャリア形成の支援

職場の環境を整備する以外に、
仕事にやりがいを持って働いてもらうためには
スキルアップをサポートする方法があります。

積極的にセミナーや研修に参加するように
促しましょう。
参加するために費用がかかるのなら
クリニック側が負担するといった制度を設けると
良いでしょう。

スキルアップには費用がかかりますが、
長い目で見ればクリニックにもプラスになります。

優秀なスタッフに長い間働いてもらうためには

優秀なスタッフに残ってもらうためには、
休暇をとって職場に戻ったあとの
体制を整えなくてはいけません。

スタッフにとって働きやすい職場とは、

  • その人が求めている働き方が認められる
  • 仕事でやりがいが感じられる
  • 仕事に見合った給料がもらえる

などです。

出産・育児・介護にともなうスタッフの負担は、
仕事にも大きく影響を与えます。
その都度新しいスタッフを雇っていては、
なかなかスタッフも育ちません。

厚生労働省では、
医療従事者が健康で
安心して働くことができる職場環境の整備を
促進する
ために
いろいろな取組みをおこなっています。
スタッフと話し合い、
働き方を見直してみてはいかがでしょうか。