「スタッフはマスクをつけないでください」
といったクリニックがあります。
なぜマスクをつけないのかというと、
顔の表情が見えなくなるからです。
以前、新聞に次のような投稿を
されている方がいました。
「マスクをつけている病院の職員は、
患者さんに対して失礼だと思う」
というある医師の話です。
この記事を書いている筆者が
以前働いていた病院でも同じような
ことがありました。
たしかに、
キャビンアテンダントやホテルマンなど、
マスクをしている人はほとんどいません。
では、病院も同じようにマスクを使わない方が
いいのでしょうか?
医療機関のスタッフが
マスクをつけるかどうかについて
具体的に考えてみましょう。
クリニックでマスクを禁止しているのはなぜか?
ほとんどの病院では、
マスクをつけるということが
義務付けられています。
しかし、マスクを禁止している病院もあります。
マスクをつけると顔の表情が見えないので、
患者さんが不安に感じたり、
スタッフの対応を冷たく感じたりする
ことがあるからです。
また、「態度が悪い」などのトラブルが
発生しやすくなります。
このような理由からマスクを禁止しているのです。
クリニックでは看護師・受付事務などが
接客について学ぶセミナーに
参加することがあります。
このようなセミナーでは、
どうすれば患者さんによい印象を与えるか、
トラブルが発生した場合
どのように対応すればいいのか
といったことを学びます。
このセミナーでも、顔の表情や言葉遣いが
もっとも重視されます。
患者さんは医療機関のスタッフが
マスクをつけないことに
どう感じているのでしょうか?
いろいろな意見がありますが、
スタッフにはマスクを着けて欲しい
といった声がほとんどです。
しかし、少数意見ですが
マスクをすると
失礼だと感じる患者さんもいるようです。
クリニックのスタッフはマスクをつけた方がいい理由
マスクをつかう理由は、
風邪やインフルエンザの拡散防止です。
もちろんスタッフを
風邪やインフルエンザから守る
という意味もあります。
そのため、クリニックで
インフルエンザワクチンの
接種をしている場合がほとんどです。
しかし、
「現行のインフルエンザワクチンは、
接種すればインフルエンザに
絶対にかからないという訳ではない。」
とされています。
参照:厚生労働省:インフルエンザの効果
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou01/qa.html
したがって、内科・循環器内科など、
インフルエンザの患者さんが多い科や、
重症化しやすい患者が多い科は、
マスクを積極的に使った方がいいでしょう。
状況にもよりますが、
風邪をひいているスタッフは
裏方に回るという方法もあります。
スタッフがマスクをつける場合は、
「インフルエンザが流行しているため、
感染予防のためにスタッフはマスクを着用します。
ご了承ください。」というように、
ひとこと張り紙をしておくといいでしょう。
クリニックのスタッフがマスクをつけない場合
一方で、さきほど紹介したように、
マスクをつけない方がいいと考える
クリニックもあります。
例えば、美容外科・皮膚科など
インフルエンザなどにかかった患者さんが
来ることが少ない場合です。
特に美容外科は接客に重点を置いているため、
マスクをつけるかどうかは状況に応じて
使い分けるといいでしょう。
また、「咳エチケット」を守るという
方法もあります。
これは厚生労働省が報告したコラムには
このように書かれています。
「咳エチケット」
- 咳やくしゃみが出る場合はマスクをする
- マスクがない場合は、
ティッシュなどで口と鼻をおさえ、
顔を人のいない場所にそむける
- 使ったティッシュやマスクはゴミ箱に捨て、
手はすぐに洗う。
参照:厚生労働省:咳エチケット
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000187997.html
これは、スタッフだけでなく患者さんにも
張り紙などでお伝えしましょう。
医療機関で働くスタッフにとっては
当たり前のことですが、
患者さんはあまり意識をされていない方も
いらっしゃいます。
クリニックでは、状況に合わせてマスクを使い分ける
クリニックの仕事は、
接客業と考えられている場合が多いです。
特に自由診療のクリニックは、
患者さんに快適に過ごしてもらうために、
いろいろな工夫がされています。
そのため、マスクをつけるかどうかの選択は、
難しい場合もあります。
やはりインフルエンザにかかりやすい時期は、
臨機応変に対応することが
必要になってくるでしょう。
以前にも話題になったマスクの話ですが、
改めてスタッフとマスクや咳エチケットについて
話し合ってみてはいかがでしょうか。