前回の記事では
他院がどのようなコロナ対策を取っているのかを
ご紹介しました。

コロナウイルスの予防は、
医療機関にとっては死活問題ではないでしょうか?

院内で万一、集団感染が起ころうものなら、 
由々しき事態になるかと思います。

感染のリスクを今よりもっと下げるために
目を向けたほうがよいポイントを、
前回に引き続き、厳選してお届けしましょう。

院内からコロナウイルスを徹底的にシャットアウトするために

換気に関して

空気清浄機等を購入したほうがよいことは、
すでに以前の記事でもお伝えしています。

本格的な除菌を追求したいなら
オゾンや静電気等の技術を利用して
除菌・集塵・脱臭等を徹底的に行える設備を
取り付けてもよいでしょう。

二酸化炭素の濃度を測定する

厚生労働省は、
感染症対策の一環で
望ましい換気を実現するための
ガイドラインを発表していますね。

「空気清浄機を活用したい」

といっても、
どれくらいの頻度やタイミングで
換気すればいいのか、
なかなか予測が難しいですよね。

そこで役に立つのが、
室内の二酸化炭素濃度を測定する設備です。

このような設備を使っていることを
患者に説明すれば、
患者満足度を高めるきっかけにもなりますね。

今では、
かなり小型の製品が流通していて
院内のスペースをあまりとらないため、
邪魔になりませんし、
価格もとてもリーズナブルなものが
あるようです。

ドアの開閉に関して

診察室や洗面所のドアは、
スタッフも患者も手を触れるかと思います。

「スタッフだけでなく、
患者にも手袋をはめてもらう」

というやり方もありますが、
今ではドアノブやハンドルに触らずとも
開け閉めできるようにすることが可能です。

「肘で押すだけで動かせるタイプ」の
ドアに変更している医療機関はすでに
少しずつ出現しているようです。

抗菌コーティング

抗菌コーティングを実施すると、
医院全体でウイルスや細菌を
楽々と撃退できる可能性があります。

とはいえこれは、
手間暇や資金がかかる可能性もありますし、
どんな医院でもすぐに真似できる方法とは
限りません。

また、決して万能な方法ではないというのも
紛れもない事実です。

なぜならば、
業者によって、技術が異なりますし
サービス内容や費用も異なるためです。

もしチャレンジを検討されるなら、
複数の業者に相見積もりを依頼するなどして、
慎重に検討するべきでしょう。

スタッフの感染を避けるための対策に関して

スタッフのワクチン接種を促す

医療従事者へのワクチン接種は、
各地の医師会が再三再四、促してきました。

常勤のスタッフであれば、
接種済みの方も多いのではないでしょうか?

ただ医療業界は常に人手不足の問題を抱えており、
産休や育休をはじめ、
しばらく仕事から離脱していた人材が
復帰や再就職という形で
これから戻ってくることも
あるかと思います。

万が一、まだ接種が終わっていないなら
大至急受けてもらうよう、お願いする
必要が出てくるかもしれません。

ところで、
コロナワクチンは副作用が出ることで
有名ですよね。

筋肉痛や患部のかゆみ程度ならまだしも、
かなりの発熱をしてしまうことだって
十分に考えられます。

熱があるのでは
当然働いてもらうわけにいきませんが、
接種日から熱が収まるまでは、
有給にすべきでしょうか? 

これは意見が分かれるところです。

最近は医療の世界でも
有給休暇の消化がかなり問題になり、
法令でもスタッフに使わせるように
奨励する風潮も強くなりつつあります。

そのような事情に目を向けるなら、
もちろん有給を使わせたほうがよい
という意見も出てきます。

その一方で

「インフルエンザのような
他のワクチンの接種の場合は、いちいち休まない。
だから、有給にする理由はない」

といった指摘も出ているようです。

最終的には院長の裁量しだいですが、
院内の意見はきちんと聞き取ってから
決めることが大切でしょう。

スタッフの家族の感染に関して

医療従事者の家族は
他の市民より優先的に
ワクチン接種を受けられるチャンスがあります。

とはいえ、
家族全員が接種を完了出来るとは
限りません。

家族が発熱、あるいは味覚や嗅覚の異変
といった兆候を見せたら
素早く報告してもらうように、
スタッフ全員に伝えたほうが正解でしょう。

もちろん、
家族の感染が発覚したら
地域の保健所等に連絡して指示を仰ぐなどの
措置が必要です。

まとめ

コロナ対策は恐らく
当分の間、終わりません。

新たな変異種も出てきていますし、
来年も続けなくてはならない可能性が
高いです。

今回は設備投資が必要な方法も取り上げましたが、
しっかりした投資は、
長い目で見れば十分なリターンが
期待できるかもしれません。

しかも今なら、
コロナ対策を国や自治体が
支援金や補助金という形式で
積極的にサポートしてくれます。

そして、
スタッフへの気配りも
完全無欠な感染予防を目指す上では不可避ですね。

院内の団結を高めるきっかけにも
なると思われます。

【引用元】
厚生労働省
冬場における「換気の悪い密閉空間」を改善するための喚起について
https://www.mhlw.go.jp/content/000698866.pdf