コロナ禍が世界に吹き荒れた2020年は
後世まで、語り継がれる年になるかもしれません。

アンチエイジング診療の世界でも、
残された爪痕は
すさまじいものだったかと思います。

この状況が早く終わってくれればいいのですが、
2月2日夜の時点で緊急事態宣言の1ヵ月延長が
決定されましたので、大変な状況は、
残念ながらまだまだ続きそうですね。

このような過酷な事態が続く中で、
2020年はオンライン診療に関して
画期的な変化があったことをご存じでしょうか? 

2020年の春から、オンライン診療が
「初診から可能」となったのです。
そのほかにも、たくさんの変更が
加えられていますね。

そこで今回は、

「オンライン診療の新情報」
「どんな着眼点で、用途を見出せそうなのか」

以上の2点に絞ってお届けしましょう。

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オンライン診療をめぐる規制の数多くが変更されました

2020年の4月10日に厚生労働省は
通告を出して、
オンライン診療の変更について
詳細に案内していましたね。

当初の予定では、
オンライン診療を初診から認める範囲は
限定されるはずでした。

しかし、
医療崩壊を危惧する声が相次いだ時期だったため、
国はオンライン診療の制限を
大幅に緩和するしかありませんでした。

とはいえ現実の医療の現場では、
初診時におけるオンライン診療の実施率は
いまだに高くありません。
やはり、二の足を踏む医療機関のほうが
多いのだと思われます。

その他の、昨春からの変更点を簡潔に
まとめるなら次のようになりますね。

過去に通院歴がない患者さんに対して

過去に通院歴がない患者に対しては、
オンラインだけで受診する場合のリスク等の
じゅうぶんな説明を行わなければならず
カルテ等への記載も必須です。
ただしコロナ禍のため、以前は義務だった
「診療計画書」を準備していない
場合でも診療していいことになりました。

オンラインでの診療に限界があった場合

「オンラインだけでは無理」という
判断に達したら、対面での診療に移行する。
(他の医療機関を紹介しても問題ないです。)

初診をオンラインで行った場合

初診からオンライン対応を行った場合は
都道府県に月ごとに報告しなくては
なりません。

処方する医薬品について

「睡眠薬」
「向精神薬」

といった医薬品の処方はNGとされています。
そのほか
危険性の高い薬や不適正使用目的の薬は
処方できないともされているので、
注意したほうが良いでしょう。

処方箋について

患者が同意すれば、処方箋を医療機関から
薬局に直接送付してよいとされています。
また、
コロナ禍のため、
患者が薬局に処方箋を
直接持ち込まなくてもよい、とも変更されました。
処方箋を受け取った薬局は、
患者の自宅に医薬品を配送します。

オンライン診療の診療する疾患対象について

従来は「慢性的な疾患」が主な対象でしたが、
その他の疾患にも適応が認められるように
なりました。

オンライン診療実施前に注意事項

オンライン診療実施前に注意したほうが良い事項が
2点あります。

研修参加について

オンライン診療の実施前に、医師は
厚労省が主催する研修を受けなくてはならない。

個人を特定するための措置について

患者のなりすまし行為を
防止する措置をとらなくてはなりません。

なりすまし行為防止のためにも
患者の保険証を提示・送付等させる
必要があります。

また、医師側は
自身の身分証明を提示することになります。

オンライン診療を取り入れる、と決めた場合は? 

前述しているように、
オンライン診療を開始するためには
厚労省の研修を受ける必要があります。
地域の厚生局に届け出も出さなくてはなりません。

そしてオンライン診療を成功するためには
設備の準備が必要となります。

通信機器に関しては昨春から、
通常のPC・スマホ・タブレット等でも
使用可能となりましたが、
通信環境のテストは、あらかじめ
念入りに確認しておく必要があります。

それから、忘れてはならないのは
セキュリティ面です。
オンラインアクセスは常に、
不正アクセスのリスクと隣合わせです。
絶対に情報漏洩につながらないように、
対策を講じないといけません。

現在は、オンライン診療専用のアプリが
開発されていて便利になってきています。
これに関しては
事前に患者に、手持ちのスマホ等に
ダウンロードしてもらうことになりますね。

なお、オンライン診療を
全面的にサポートしてくれるシステムを
提供する企業がいくつも登場していますね。
財政面で余裕があるなら、
導入してしまうのもよいでしょう。

うまくいけば、決済機能や電子カルテとの
連携機能まで備わった優良なシステムを
手に入れることができます。

もちろん、導入にはそれなりの期間が必要です。

複数の業者に同時に見積もりを依頼するなどして、
必要な日数や予算、さらにシステムの良し悪しまで
すべてのチェック項目を慎重に検討しましょう。

アンチエイジング診療において、オンライン診療はどれくらい必要なのか

アンチエイジング診療の範囲も幅広いものです。
コロナ禍という不要不急の外出が
はばかられる時期であっても
需要のある科目もあれば、やはり通院を
見送られてしまう科目もあるでしょう。

大事なことは、
標榜している診療科目の特性と、
患者の動向を冷静に見極めることですね。

たとえば、

「オンラインでじゅうぶんな診断が
できるかどうか」

については
科目によって大きく変わるでしょう。

可能だとしても初診からそれが
できるとは限りません。

チャンスがあるなら、既存の患者に
アンケート等を実施して、意見を求めてみる
という手段をとってもよいでしょう。

また、保険診療と自由診療を
両方ともに提供している場合なら、
オンライン診療の範囲を
個別に検討することも大切ですね。

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