「新しいスタッフを採用しても
すぐに辞めてしまう」

「とても優秀な人なので重要な仕事を
まかせようと思っていたのに転職してしまった」
このような経験はありませんか?

医療現場で働く専門知識をもった人たちは、
多くの職場で必要とされています。

スタッフを定着させるために、
給与を上げたり、福利厚生に力を入れたり
している場合もあるでしょう。

しかし、それでも辞めてしまう場合があります。
今回は、スタッフに長く働いてもらうために
準備しておきたいことをご紹介します。

働く前に条件を細かく話し合っておく

新しいスタッフは、
「履歴書を送る」
「面接をする」
という流れで採用するかと思います。

採用の連絡をしたあと、そのスタッフと話し合う
時間を作っていますか?

例えば、毎日の仕事の流れ、
これからやってみたいことなどについてです。

実際に働く前に、お互いの希望を
確認してみてはいかがでしょうか。

また、
「残業は月にどのくらい発生しているのか?」
「急病などで休んだときに、どういう体制に
なっているのか?」
「給与・福利厚生などはどうなっているのか?」
についても話し合っておいたほうが円滑に
スタートできるかと思います。

状況を見て新しいスタッフにも責任のある仕事をまかせる

新しいスタッフには、なかなか責任のある仕事を
任せられないと感じている先生も中には
いるかもしれません。

ところが、簡単な仕事だけを任せていると
モチベーションを保つのが難しくなるため、
やる気をなくしてしまう方が
いる可能性があります。

できるだけその人の得意とする業務を

任せることを心がけていきましょう。

新しいスタッフは、自分の存在を認められたと
感じるため、仕事にやりがいを
持ってもらうことができるかもしれません。

経験者でも新しいスタッフは初めて働く場所ということを理解する

新しく働くスタッフは、
他の病院で働いていた経験があっても、
毎日が初めてのことばかりです。

「経験者だから何もいわなくてもわかるだろう」
「彼女のまかせておけば大丈夫だろう」
というふうに前からクリニックに務めている
スタッフは考えてしまいがちです。

しかし、新しく働くスタッフは
「自分の考えで仕事を進めても
いいのだろうか?」、
「この病院はどんな考えを
持っているのだろうか?」
と思っているかもしれません。

最初のうちは、どれだけ経験のある人を

採用したとしても、
指導係をつけることが必要です。

ちょっとした不安が大きな不安につながり、
周りの人に相談しにくい環境を
生み出す可能性もあります。

スタッフの様子を気にかけ適度に声をかける

どれほど長い仕事経験があるスタッフでも、
新しい職場では戸惑うことがたくさんあります。
例えば、検査や治療について、どの程度
看護師が関わるかといったことです。

病院によっては作業が分担されている
場合もあれば、ひとりの患者さんに対して
すべての作業をひとりの看護師が
行う場合もあります。

また、患者さんに説明する内容は
細かな決まりがある場合もあるでしょう。

ときどき、周りのスタッフが
「わからないことはありませんか?」
など声をかけてみてもいいでしょう。

診察時間が終わったあとに定期的に、

話し合う場を設けるのもひとつの方法です。

仕事内容を改善する

仕事の流れを変えるには、スタッフ全員の承諾が
必要になることがあるため
すぐに変えることは難しいことかもしれません。

しかし、いつまでも同じ方法にこだわっていれば、
新しい風を流すことは難しいと思います。

そこで現状の方法をかえるために
新しいスタッフに今の職場について

意見を聞いてみてはどうでしょうか。

例えば、作業手順を変えてみるといったことです。

その作業は本当に必要か、
これまでと同じような順番で作業を進めても
問題はないかなどを考えるきっかけとなります。

また、残業が多いといわれれば、
改善する必要があるでしょう。

診察時間を短くする、医療従事者でなくても
できる仕事は外部に依頼するなどです。

このように新しいスタッフは、
自院にはない新しい提案を
してくれる場合もあります。

スタッフの存在を認める

「このクリニックで役にたっている」
「貴重な存在である」
と新しいスタッフに感じてもらうことが大切です。

ただし、極端にほめる必要はありません。
例えば、
「患者さんがあなたのことを
ほめていたよ」

「最近、あなたの担当している
〇〇さんの顔が明るくなってきたよ」
など、患者さんの様子が変わったことを
話すのもいいでしょう。

また、これから先も期待している
という言葉をかけることも大切です。

「○○さんには、こんな仕事を任せたい」


と将来に向けて期待している

という声がけも有効でしょう。

逆に、「これからしてみたいことは?」

などと聞いてみるのも
モチベーションアップにつながります。

新しい場所で働くスタッフの気持ちを考えることは大切

どれだけ他の病院で働いた経験がある
スタッフでも、自院ではなにもかもが
初めてのことばかりです。

「あの人は経験があるからまかせておけばいい」

というのは避けた方がいいでしょう。

日々の不安を少しずつ解消し、
将来に期待を込めた言葉をかけることが
離職につながりにくい方法です。

相手の意思を尊重しながら、
一緒に病院づくりを盛り上げていく
という気持ちを忘れないようにしましょう。