日本は「先進国の中では珍しく、
キャッシュレス化が進行していない国」
なんていわれますね。

それでもクレジットカードは今、
何百種類も発行されていますし
使用できる施設は非常に多いです。
医療の現場でも「クレカ払い」は
すっかりおなじみになっていますね。

とはいえ、クレカ決済ができないクリニックは
依然として多く残っています。

開業医の場合はやはり、大病院と比べると
クレカの導入は進んでいません。
しかしアンチエイジング診療を標榜するなら、
カード払いを受け入れることで
得られるメリットは捨てがたいものがあります。

以前の記事では、クリニックの備品などの購入に
クレカを活用するメリットをお伝えしました。

今回は、患者の支払にクレカ決済を導入する
メリットについてお伝えします。

カード払いがクリニックにもたらしてくれるメリット

クレジットカード払いを実現すると得られる、
代表的なメリットをまとめてみましょう。

1.患者が通院する際に、治療費の準備をしなくてよい

クレカの最大のメリットといえば、
現金を持ち歩かなくても買い物をはじめ
さまざまな支払いができることでしょう。

このメリットはクリニックにおいても絶大ですね。
たとえば一般的なサラリーマンやOLであれば、
給料日直前の財布の中身が少ない時期であっても、
カード1枚を持っていくだけで
診療を問題なく受けられるわけです。

それに、金融機関から
まとまった治療費をいちいち引き出すのは、
手間となるだけではなく
安全面での問題も無視できないですね。

2.患者に対して、重荷にならない「支払い計画」を提供できる

クレカには一括払いもありますが
2回以上の分割払いを選ぶことが多いでしょう。

この点はアンチエイジング診療では
とてもありがたいものです。

何しろ自由診療といえば
「高くつく」というイメージがつきもの。

しかし数回に分割払いできるようにすれば
患者にアンチエイジング診療を提案するとき
かなり有利になります。

3.受付の業務が、全体的にスムーズに変わる

現金払いのときは、患者もスタッフも
いちいち金額を確かめないといけません
つり銭を手渡しする作業も
ときとして億劫に感じられるもの。

しかしカード払いは専用の端末を使えば
一瞬で終了しますから便利ですね。

カード払いを選択する患者が増えると、
受付のスタッフにとって
「つり銭をあまり用意しなくて済む」
というメリットも発生します。

両替できる金融機関等が
近所に少ないクリニックであれば、
この点も大きなメリットになるでしょう。

4.クリニックの領収書と別に、カード会社から明細書が発行される

患者が領収書をなくしてしまった場合でも、
カード会社の明細書を振り返れば
クリニックで決済した日時や金額を
正確に確認できます。

5.患者にとって、ポイントを稼ぐ絶好のチャンスとなる

クレカの醍醐味のひとつが、
支払い額に応じて付与されるポイントですね。

自由診療で高額の支払いをするなら、
その分還元されるポイントも多めになります。

カード払い導入につきまとうデメリット

物事には必ずいい面と悪い面があるもの。

クリニックにカード払いを導入するときも、
やはりデメリットはありますね。

1.決済のたびに、カード会社に手数料を徴収される

これは絶対に避けられません。

現金払いのときと比べると確実に、
クリニックに入る金額が減ることになります。

保険診療の割合が自由診療の割合よりも
高いクリニックの場合は、
「手数料でどれくらいの損失が生じるのか?」
シミュレーションの計算を
してみることも大事です。

その上で、
損しないための戦略を練ることがおすすめ。

たとえば、利益を確保するために
「カード払いを認める範囲を制限する」
という手があります。
「自由診療の会計のみ、カード払いOKです」
「~円以上の会計のみ、カード払いOKです」
といった制限を設けるクリニックも多いです。

2.クリニックの口座に入金されるまで、時間が空いてしまう

これまた、カード払いではどうしても
避けられないことですね。

気を付けないと、クリニックの資金繰りに
支障をきたしてしまう恐れがあります。

この点は、カード会社と契約する前に
準備をしておけばじゅうぶんに対応できます。

クリニックの財政に余裕があるときを
選んでもいいですし、
カード決済の導入に合わせてどこかから
融資を受けてしのぐという手もあるでしょう。

資金上の戦略を判断できないときは、
顧問税理士に相談してみましょう。
税理士を活用すれば、カード会計に関する
書類の作成方法についても、
おそらく的確なアドバイスを得られます。

3.代行業者選びを間違うと、損をする恐れがある

カード会社と直接契約することもできますが、
代行業者を使うケースが最近は増えています。

クレジットカードにも
VISA・Master・JCB・Amex……と
種類がありますが、代行業者に依頼すれば
各ブランドにまとめて対応してくれます。

ただし、業者によっては
高額の手数料を要求してくることがあります。
また、杜撰な管理を行っている業者が
一部にいることは否定できません。

なるべく数多くの業者を比較した上で、
契約先を決めたほうが安全でしょう。

アンチエイジング診療を行なう上で、クレカ払いはアドバンテージになる

アンチエイジング診療を
自由診療で提供していくなら、
クレジットカード決済の導入で
メリットを多く引き出せるチャンスです。

デメリットも少しはありますが、
事前に対策をしておけば
足元をすくわれることはありません。

クレカ払いを活用すれば、
アンチエイジング診療の集患は
おおいに弾みがつくでしょう。