都心と地方の格差が顕著な時代ですね。
この風潮への対策として考え出されたのが
「ふるさと納税」の制度です。
最近、マスコミでよく取り上げられるように
なりました。

ふるさと納税は、厳密に書くなら
納税制度の一種ではありません。
好きな地方自治体を選んで、寄付をする制度です。
ご自身の出身地を選んでもいいですし、
その他の土地を選んでもかまいません。

そして、翌年の確定申告の際に
有利になったり、地方の特産品が手に入ったりと
いろいろなメリットを見込めます。

アンチエイジング診療を標榜している
開業医にとっても、ふるさと納税は
とても魅力的な制度です。

ふるさと納税制度のメリットを整理すると?

1.所得税や住民税を、近い将来に取り戻せる

寄付をした時期などによって戻ってくる
タイミングが変わりますが、
限度額内で寄付をした分は必ず回収できます。

2.たっぷりと寄付をすれば、受け取れる返礼品も高級になる

厳密な決まりがあるわけではないようですが、
多めに寄付すればそれなりの品物が返ってきます。
大まかに書くと、寄付した額の30~50%くらいの
価値がある返礼品が用意されている模様です。

3.名物以外の返礼品を受け取れるチャンスもある

たとえば地域によっては、金券やクーポン券、
あるいは電子マネー等を返礼品に選んでいます。

また、JTBが管理している、
ふるさと納税の特設サイト「ふるぽ」では、
各地の返礼品を紹介しています。

このサイト内で手続きをすると
ポイントが付与されます。
そのポイントを貯めると、さまざまな返礼品と
交換できるようになっています。

ふるさと納税の具体的な手順

ふるさと納税の基本的な流れは、以下の通りです。

1.寄付したい土地を選択する
2.寄付を実行する

現在はネット上で、
一瞬で決済することも可能です。

3.その土地の自治体から、
受領書と返礼品が送付される

寄付の回数に制限はありません。
土地を変えて、何回も寄付している人は多いです。

返礼品については、申し込みの期限が
設定されていることがあります。
その場合は忘れずに申し込みましょう。

4.年度が変わったら、
3月の期限までに確定申告を行う

このとき、受領書を他の書類と一緒に添付します。

5.寄付した金額に応じて、
所得税や住民税が軽減されたことを確認する

所得税の場合なら、
その年度の還付金に反映されます。
住民税の場合なら、
翌年度に控除を受けられます。

還付や控除を受けられるため、
実質的な自己負担金は
たったの2000円で済むようになっています。

開業医にとってふるさと納税をするメリットとは

1.高所得者にとって、有利なシステムとなっている

ふるさと納税では、年収に応じて
寄付金の限度額が変わります。
やはり年収が高い人ほど、限度額も高くなります。

アンチエイジング診療で成功している
開業医の場合、年収は平均して高いですから、
1年間に寄付できるお金も増えるわけです。

したがって何度も寄付をする機会を持てますし、
地方の名物を手に入れる機会も増えるのです。
もちろん、所得税・住民税も
たくさん軽減してもらえるでしょう。

なお、控除上限額については
細かく決められています。
これは利用者の年収や家族構成で変わります。

たとえば、

  • 年収2500万円
  • 既婚
  • 夫婦共働き
  • 子供が高校生1名

以上の条件に該当する場合なら、
最大で74万6000円までの寄付金が
控除されます。
こちらのサイトで調べられます。

そのギリギリの額まで本当に寄付をするなら?
自己負担額はわずか2000円ですから、
74万4000円があとで戻ってきますね。

計算方法については、
変更される可能性があります。
その都度こちらのサイトで最新情報を
ご確認ください。

ご自身が納付することになる
住民税・所得税の金額を正確に計算できるなら、
その額に合わせて寄付のやり方を
検討することもできるでしょう
(ご自身で計算するのが億劫であれば、
顧問税理士やFPのような
専門家の手を借りるという手があります)。

2.昔、お世話になった地域や思い入れのある地域に恩返しできる

若いころ、遠く離れた土地で
研修医の時期を過ごした方は多いでしょう。

過疎化や少子高齢化が進んでいる地域にとって、
寄付はやはりありがたいもの。

ベテランの開業医であれば、
懐かしい土地を思い出しながら
寄付をするのもまた一興でしょう。

3.毎日の診療で忙しくても、簡単にまねできる節税方法となる

節税に興味のある開業医の方は
やはり多いでしょう。
税理士顔負けの節税のテクニックを
ご存知の方もいらっしゃいます。

しかしその反対で、
「なかなか節税を学ぶ時間がない」
「税理士に任せきりになってしまった」
という方も多いでしょう。

ふるさと納税を用いた節税は、
どちらかといえば簡単です。
ややこしい計算が少し発生することもありますが、
あまり時間をかけなくても十分に実践できます。

4.寄付金の使い道を指定できる

開業医のような高所得者は、
払っている税金も多いです。
しかし、普段はその税金が
正しく使われているのかわかりませんね。

ふるさと納税では、
寄付金の使い方を決める権利があります。
自分が払ったお金が、確実にその土地のために
使われるように設定できるのです。

開業医がふるさと納税をするときの注意点とは

1.大事な手続きを忘れてはいけない

寄付や確定申告の期限を忘れてしまうのは
NGです。

開業医は何かと多忙ですし、
この手の失敗談は少なくないようです。

2.返礼品が増えると、一時所得として課税される可能性がある

返礼品を多く集めているうちに、
一時所得扱いになる可能性はあります。

開業医は高収入ですし、ほかに一時所得があると
その確率は上がります。

この可能性は人によってバラバラですから、
気になるなら税理士等に相談してみると
よいでしょう。

3.必ず自分の名前で寄付をする

開業医の中には、人生の伴侶の名前で
いろいろな手続きをする習慣を持つ方も
いるでしょう。

しかしふるさと納税は、
自分の名前を使うことが絶対条件です。
これは各自、気をつけるしかないでしょう。

ふるさと納税は一石二鳥のありがたい制度です

ふるさと納税は、簡単に節税できる上に
各地の高品質の名物が手に入る、
素晴らしい制度です。

安定した高収入を持つ医者の場合なら、
そのメリットを引き出せる機会は
自然と多くなります。

まだご利用経験がないのでしたら、
一度お試しになってはいかがでしょうか。