現在の医療機関は、
常に患者の満足度を追求することが
求められています。
したがって自由診療を標榜する上でも
「患者がどう思うか?」
「患者にどう見られるか?」
その視点を常に忘れないようにしたいものですね。
ところが、院長とスタッフの間、
あるいはスタッフ同士のささいなやり取りの際に、
つい油断してしまうケースが
各地でときどき、起こっている模様です。
院長がスタッフに話しかけるときに、気を付けたいところとは
院長または勤務医が、
目下のスタッフと組んで診察をするときは、
患者さんに聞こえてもかまわない
言葉遣いや態度を
心がけるほうが無難でしょう。
明らかに年下のスタッフや、
経験の浅いスタッフであっても、
居丈高な言動を取っているように
見えてしまうことはいただけません。
患者さんによっては、
そのようなやり取りを見聞きすると、
「ここの院長は、どうやら横柄な性格らしい」
といった思い込みを持つことがあるからです。
自分より年上のスタッフや
職歴が長いスタッフであれば、自然と
かしこまった言動を取るかもしれませんが、
それでもつい気を抜くと、
無意識のうちに馴れ馴れしい言動を
とってしまうことはあるでしょう。
それでは、患者の目の前で
目下のスタッフと接するときに、
「高圧的だ」と誤解されやすい
ポイントをまとめてみます。
1.スタッフに、何か指示や命令を下すとき
一言二言、簡潔な言葉で
指示を出す程度なら問題はないでしょう。
治療の最中は時間を無駄にすることは禁物ですし、
テキパキと指示や命令を出すことは大切です。
ただ、言葉遣いや声の出し方を間違えると、
「乱暴な院長」
「スタッフをあごで使う院長」
だと思われてしまうリスクが強まります。
普段から、非の打ちどころのない言葉遣いを
徹底するように習慣づけることが、
このような問題を防ぐ上では効果的です。
目下のスタッフに対しては、
いわゆる「タメ口」で話しかけるのも
かまわないでしょう。
ただ、患者の前ではすべてのスタッフに対して
丁寧な言葉遣いを意識することで
よい結果につなげている医院も存在します。
2.スタッフに何か、注意すべきことが発生したとき
診療の最中に、スタッフが何か間違いを
犯してしまったときは、
速やかに処理しないといけません。
やはり新人のスタッフの場合は、
どうしても何か間違いをしてしまうことが
多いものです。
患者にはっきりとわかるような間違いで
迷惑をおかけしてしまったときは、院長としては
患者にお詫びしないといけません。
そのスタッフにも、もちろん一緒に
お詫びしてもらう必要があるでしょう。
ここで大事なことは、そのスタッフが
同じ間違いを犯さないようにすることです。
したがってそのスタッフに
注意をすることは必要でしょう。
ただし、患者の目の前で
過度に叱り飛ばすことは禁物です。
患者の大半は、
そのようなことを望んでいません。
もちろん、目立つ間違いが起こってしまったときは
不快に思うかもしれませんが、
速やかにお詫びして隙のない対処をしてもらえたら
たいていは満足するものです。
声を荒げながらスタッフを叱ると、
他の患者にも聞こえてしまうかもしれません。
「騒がしい病院だ」
「居心地の悪い病院だ」
なんて思われると、リピート率に
著しくダメージを及ぼしてしまうでしょう。
患者の目の前でスタッフを叱りつけることは、
そのスタッフの自信やプライドを崩壊させる、
というデメリットも持っています。
したがって、スタッフの教育という意味でも、
離職率を下げるという意味でも、
逆効果になってしまうわけです。
よほどのことがない限り、患者がいるところで
スタッフを大声で注意することは
避けるに限りますね。
スタッフ同士の会話で、気を付けたいところとは
診療中の患者の前で、
スタッフたちが長時間を過ごすことは
少ないでしょう。
ただ、スタッフ同士のささいなやり取りが
患者の耳に入ってしまうことはあります。
気を付けたいのは、
ちょっとした噂話や雑談でしょう
(ほほえましい内容であれば、
患者が悪印象を持つことはないのですが)。
できれば、患者に聞こえる範囲で、
スタッフ同士が長話をすることは
あまりないほうがよいでしょう。
そして他の患者の噂話等は、
ごくわずかであっても
患者の耳に入ることがないようにするべきです。
患者がいるときだけではなく、
患者がいないところでも
「患者の噂話はしない」、
というルールを設けている病院は
昔から多いのですが、
それが守られていなければ無意味ですね。
スタッフとのコミュニケーションも医院のイメージに影響します
居心地がよい空間を患者に提供することは、
アンチエイジングのような自由診療においては
とても大切なこと。
だからこそ内装や患者へのサービスに
こだわる医院が増えているわけですが、
医師やスタッフの間で行われる会話が、
思わぬ形で余波を残すことがあります。
普段から、言葉遣いや会話の内容に
気を配るようにすることも大切でしょう。