多くの患者に来院してもらうためには、
広告戦略を考えなくてはいけません。

最近では、インターネットでクリニックを検索して
来院するという方もが増えました。

しかし、若い方だけでなく幅広い年代の方に
来てもらうためには、地道な広告が必要です。

今回は、どのような広告があるのか、
そしてインターネットの広告を対象とした
改正医療法についてもご紹介していきます。

はじめに 医療法による広告制限

医療法は、医療を受けるものが適切な医療を
効率的に提供するためにつくられており、
国民の健康維持を目的としています。

医療法では、医療機関が行う広告について
実施して良い内容があらかじめ定められており、
法律に違反すると、行政指導や報告命令、
立入検査などに対応しなければいけません。

クリニックができる広告の種類

クリニックのできる広告には
いろいろな種類がありますが、
その中でも注目しておきたい
広告について紹介します。

駅の看板

クリニックの広告で一番多いのが、駅の看板です。

メリットは、駅の看板が目立つ場所にあるため、
多くの方の目に触れます。
また、毎日同じ人が同じ駅に来ることが多いため、
印象に残りやすくなります。

デメリットは、費用が高いということです。
一例を挙げると、JR東京駅ホームにある駅看板は
6ヶ月で50万円ほどです。
同じJR東京駅でも人が多く歩く通路にある広告は
130万円ほどかかる場合もあります。
この費用の他にも、看板を作るための費用や
取り付け費用などもプラスされます。

申込みはJRなどの鉄道会社が指定する
広告代理店に空き状況や見積もりをとることから
はじめます。
電飾を使うかどうかによっても費用が違うので
具体的に聞いておくようにしましょう。
https://www.eki-kanban.com/east/advertising/station/jr_tokyo

電車広告

電車広告は電車に乗る人が見るための広告です。

メリットは、少ない時間でも集中して
読むことができるということです。
そのため、キャッチコピーだけでなく
クリニックの特徴など細かいところまで
読んでもらえます。
また、読む人にとって必要な情報があれば、
すぐに行動に移しやすいというのも
電車広告の特徴です。

デメリットは、同じような広告が多いため、
目立つ特徴がなければ読んでもらえない
場合もあります。
また、費用も、サイズや数量・掲出期間によって
金額が異なります。
https://www.densha-koukoku.com/ad_media/hanging

申し込みは駅の看板と同じように、
JRなどの鉄道会社が指定する広告代理店に
空き状況や見積もりを取るところから始めます。

駅看板と電車広告では、デザインによっては
修正が必要な場合や掲出できないこともあります。

ポスティング

クリニックの近くに住んでいる方に
知ってもらいたい場合に有効なのが
ポスティングです。

メリットは、パソコンなどを使いこなせない
年配の方にも見てもらえます。
また、高級住宅地や高級マンションなど、
高収入層を対象に配布先を絞るなど、
ターゲットを選んでポスティングすることも
できます。

デメリットは、マンションなど集合住宅で
日頃からポスティングが多い場所では、
クレームが発生しやすいということです。
また、クリニックの従業員で配布する場合、
時間と手間がかかりすぎることも考えられます。

注意したい点は、マンションなどに配布する場合、
ポスティングが禁止されていないかを調べた上で
投函するということです。
また、クレームがあった場合は、
次に投函しないようにしっかりと記録しておく
ことも大切です。

インターネット

多くの方にクリニックを知ってもらうには
とても優位な方法です。

メリットは、クリニックの基本情報だけでなく
不定期の休診情報や新しいニュースなど、
いつでも情報を更新できるということです。

ただし、掲載できる情報に制限はあります。

インターネットはとても便利な一面もありますが、
医療法で広告全般に関する制限がされており、
法律に違反すると
「6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金」
に処されてしまいます。

インターネットで集客をする場合は、
このような医療法やSEO対策などに詳しい
業者に依頼するといいでしょう。
※SEO対策:
インターネットの検索エンジンを通じて
多くの人にホームページを見てもらうための対策

以上、4つの広告を紹介しました。

一番手軽なのがインターネットです。
インターネットはどれくらいの方が見ているかを
数字にして確認することもできます。

また、駅の看板も効果が高いといえるでしょう。
しかし、インターネットのように
数字にして効果を確認することができません。
駅の看板の効果を知るためには、問診表で
「何を見てクリニックを選ばれたか」
という項目を作って確認する方法もあります。

次にインターネット広告を利用する方のために、
2017年に改正された改正医療法について
簡単に紹介していきます。

新たに規制対象となる広告とは(改正医療法)

前に述べたとおり、医療法によって
医療機関の行う広告が規制されていますが、
この医療法が2017年に改正されました。

http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000192249.pdf

これまでの医療法では、
医療機関のウェブサイトについては
それほど厳しい規制はありませんでした。

しかし、美容医療における相談件数の増加もあり、
これからは、医療機関のウェブサイトについても
他の広告媒体と同様に規制の対象となり、
虚偽・誇大等の表示を禁止するという
ことが決まりました。

改正医療法における広告の定義とは

下記の誘因性・特定性を満たすものは
広告とみなされます。

  1. 誘引性
    患者の受診等を誘引する意図があること
  2. 特定性
    医業もしくは歯科医業を提供するものの氏名
    もしくは名称または病院もしくは診療所の
    名称が特定可能であること

また、直接的な表現ではなく以下のような表現も、
暗示的・間接的に一般の方が誤って認識してしまう
恐れがあるため、認められていません。

  1. 名称・キャッチフレーズにより表示するもの
    例:アンチエイジングクリニック
    アンチエイジングという言葉は診療科名として
    認められていない
  2. 写真、イラスト、絵文字によるもの
    例:病人が回復して元気になる姿のイラスト
  3. 新聞、雑誌等の記事、医師、学者等の談話、
    学説、体験談などを引用または掲載する
  4. 病院等のウェブサイトのURLや
    Eメールアドレスによるもの
    例:www.gannkieru.ne.jp
    アドレスより、癌が治ることを暗示している

いろいろな広告を利用しながらインターネットも最大限に活用する

多くの方にクリニックの存在を知ってもらうには、
いろいろな方法で広告をしなければいけません。

インターネットはとても便利ですが、
医療法による広告規制は年々厳しくなっています。
どのような表現であればいいのかなど、
見極めがとても難しいでしょう。

できるだけ費用を抑えたいのは当然ですが、
専門業者に依頼すると、大きな問題に直面する
といったことも少なくなるでしょう。