アンチエイジング診療は、
生存していく上で必要不可欠な
医療サービスとは言えません。

どちらかといえば、
人生を豊かにするために
有益なサービスといえるでしょう。

このため、アンチエイジング診療は
保険診療ではなく、自由診療で
提供されることがふつうです。

さて、自由診療は
患者に金額や副作用等について
しっかりと説明して、その上で
同意を取り付けないといけません。

この点は、
アンチエイジング診療の成功を左右する、
大きな分岐点と呼べるのではないでしょうか。

アンチエイジング診療で
安定した成功を収めている医院は、
カウンセリングの際に
患者に納得してもらえるようなコツを
会得していると思われます。

「カウンセリングを行った結果、
お断りされてしまう確率を下げる方法」

これはどこの医院でも、
秘密にしていることかもしれません。

……しかし、繁盛している医院が
決まって守っているルールであれば、
いくつか明らかになっています。

決して安くないアンチエイジング診療を患者に受け入れてもらうために

患者はひとりひとり、
考え方や収入状況が異なります。

したがって、すべての患者に通用する
テクニックは存在しません、
それでも、以下のポイントが
あてはまる患者は少なくありません。

1.金額や副作用といった
患者にとってマイナスとなりうる
情報の説明に工夫を凝らす

金額は、はっきりと説明しないといけません。
また、自由診療をめぐるトラブルが
社会問題となっている時代です。
それぞれの診療メニューの
副作用やデメリットに
全然言及しないわけにもいきません。

ここで大事なことは、
そのような説明をするタイミングです。

特にいけないのは、そのような説明を
カウンセリングの終わりにしてしまうことでしょう。
カウンセリングの終了直前に話してしまうと、
患者は落胆したまま帰ってしまうかもしれません。

2.金額や副作用について言及したら
すかさずポジティブな情報にも言及する

たとえば金額の説明をする際は、
その金額を払う価値がある診療であることを
的確にアピールできたほうが得策でしょう。

また副作用については、
そのリスクをどうやって防止しようとしているのか
きちんと説明するのが妥当でしょう。

他の診療との違いについても、
適切に説明できないといけません。

だからといって、根も葉もないことを
口にするのは禁物です。

自由診療で揉め事が絶えないため、
医療法も厳しくなっています。
根拠が乏しいことをつい口にしてしまうと、
あとで患者からクレームをつけられたり訴えられたり
する危険性が強まります。

3.なるべく患者に前向きな気持ちを抱いて
帰ってもらうように配慮する

無理やり契約書に
サインさせることはできませんし、
最終決断は患者に委ねるしかありません。

ただ、患者が帰宅後に検討する場合、
カウンセリングの締めくくり方によって
結果が分かれる可能性は高いです。

カウンセリングの終了時間が
近づいてきたと思ったら、
どうやって切り上げるか
よく考えたほうがよいでしょう。

特に、患者が迷っている様子や
気おくれしている様子が見えたら、
少しでも患者のやる気を
喚起したほうが得策でしょう。

たとえば、その診療を受けたら
どんな未来が待っているのか?
その点を手短に伝えて、
よいイメージを思い浮かべたまま
帰ってもらったほうがいいはずです。

もちろんやりすぎてもいけません……
しつこい勧誘だと思われない範囲で収めて、
あくまでも「患者側に決断を任せている」、
という姿勢を崩さないことが大前提です。

自由診療のカウンセリングの質を高めるために

カウンセリングに使う時間は、
長すぎるとよくありません。

ひとりの患者を長時間拘束すると、
しつこいと思われる恐れがあります。
また、1日にカウンセリングする
患者の人数も減ることになります。

限られた時間を最大限に活用して、
自由診療の成約を増やしていくために
「カウンセリングの練習をする」
という手があります。

これは手間暇がかかるため、
おそらく頻繁にはできないでしょう。
しかし、やってみることで
いろいろな改善点が見つかる可能性は高いです。

では、カウンセリングの練習をするときの
ポイントを数点あげておきます。

1.時間を計測することを忘れない

前述していますが、
時間がかかりすぎることは
避けたいところです。

また、説明すべき内容を整理しましょう。
それぞれの説明に
どれくらいの時間をかけるのか、
計算してみることもおすすめです。

患者からの質問を受ける時間も、
当然のことですが発生します。
これについては、少し余裕をもって
割くようにしたほうがよいでしょう。

2.録音・撮影してチェックを試みる

録音・撮影して再生すれば、
自分の声がどのように聞こえているのか
確認できます。

録音だけでもかまいませんが、
できたら撮影したほうがよいでしょう。
「患者から見て、どのように映っているのか?」
その点をカウンセリング担当者が
確認することも大事です。

練習の内容を再生することで、
どこを改善したらいいのか知る
貴重なチャンスが手に入ります。

たとえば、言わないほうがよいことを
つい口走ってしまったときは、
どのような言い方をすればいいのか
検討すべきです。

3.さまざまなパターンを想定して練習する

同じ方法で説明を行っても、
患者によって反応の仕方は
少しずつ異なります。

そこで、さまざまなパターンを想定して
練習して、どんな場合でも
うまい具合に対応できるようにすることが
ベストです。

たとえば、これまでに
うまく答えられなくて困った質問があれば、
その情報を共有した上で
すべての担当者がきちんと対応できるように
練習しておきたいところです。

アンチエイジング診療のカウンセリングは随時見直して向上を目指しましょう

アンチエイジング診療の
カウンセリングは、
優秀な担当者がいれば
問題ないかもしれません。

とはいえ、ひとりだけに
任せておくこともよくないでしょう。

入職してきたスタッフを
育成するときのことも考えて、
カウンセリングの方法論を
体系化してはいかがでしょうか。

日々のカウンセリングについて、
記録・報告をなるべく詳細に
残しておいてもらうのもいいでしょう。

その記録を随時増強することで、
医院独自のカウンセリングの方法論を
ブラッシュアップしていくことに
つながるでしょう。