前回の記事では、スタンド看板や
ウィンドウサインのような
医院の窓や目の前に設置して
利用できる看板について
ご説明しました。

今回は、病院から離れた場所に
取り付けて活用する看板

フォーカスして説明しましょう。
以下の3種類です。

・野立て看板

・駅看板

・電柱看板

野立て看板とは? どんな強みを持っているのか

この看板の場合、
「ロードサイン」という名前が
用いられることもあります。

「ロード」とは、
道路や街路を意味する英単語。

野立て看板は実際に、
大きな道路に沿って立てられることが多いです。
あるいは車道・鉄道に面した農地・空地に
立てられるケースもよく見かけます。
ニュータウンやマンモス団地の中に
立てられるケースもあります。

野立て看板は、建物が密集したエリアに
医院があるような場合は
あまり使い道がないかもしれません。

しかし郊外や地方であれば、
ニーズがかなり高い看板となります。

・野立て看板から期待できる効果とは

1.見晴らしのよい場所を選べば、
医院のPRや患者の誘導をする上で
効果が高い

野立て看板は、医療以外の業界でも
よく使われています。

「●●●まで、ここから800メートル」
「⇒この先に○○○あり」
~といった内容を書き込むことで、
高い集客効果を記録した成功例は数知れません。

前回ご紹介した「袖看板」も、
患者を道案内するという点では共通しています。
袖看板は、小規模な路地で
患者を誘導したい場合に向いていますが、
野立て看板は、大型の車道のような
見晴らしがよく人や車が大量に通行する場所に
向いています。

2.大型のため、遠くからもよく見える。
また、高速で移動する人からも良く見える

野立て看板は、数多い看板の中でも
ひと際大きいです。
遠距離にいる人にも見えますし、
なるべく広範囲に宣伝したい場合に
よく使われてきました。

たとえば、大型の車道に沿って設置する場合、
ドライバーの移動速度は
平均的に速めになります。

高速で移動するドライバーにとって、
小型で地味な看板は
目にとまらないものですが……
野立て看板であれば
印象に残る可能性があります。
したがって、近所に住んでいない
ドライバーに向けても
PRできる機会が発生するわけです。

・野立て看板を検討するときに知っておきたい注意点とは

1.費用がかかる

野立て看板は、場所を借りて
設置することになります。
その場合は、地権者に
賃料を支払うことになります。

また大型のため、
制作費用も高くつく傾向があります。

以上の理由から、
100万円以上の費用がかかることもあります。

2.自治体による規制がかかる

野立て看板は屋外広告物法の
規制を受けています。
また自治体ごとの規制も多いです
(野立て看板を設置できない場所も
たくさんあります)

また、設置可能な場所が見つかっても、
まず屋外広告物申請手続きを
済ませる必要があります。

電柱看板とは? どんな強みを持っているのか

「電柱広告」という名前でも知られており、
かなりメジャーな宣伝スタイルです。
電柱に広告が掲載されている光景は、
日本ではとてもありふれた光景でしょう。

電柱広告には、2種類あります。
電柱から突き出す形で
掲示物を取り付ける場合は、
「袖広告(袖看板)」と分類されます。

その一方、電柱に直接、
広告内容を巻きつける場合は
「巻広告」と呼ばれます。

この場では、この「巻広告」に
スポットライトを当てます。

・電柱看板から期待できる効果とは

1.通行人の目にとまる機会がとにかく多い

電柱は全国どこに行っても存在します。

また電柱看板は、歩行者の目線に
合わせた高さを選んで掲示します。

以上のメリットをよく理解すれば、
近隣の住民を上手に集患できます。

2.QRコードを利用した集患が実現する

QRコードを入れておくと、
通行人が携帯電話で読み取ってくれるでしょう。

すると、医院の地図をはじめ
さまざまな情報を瞬時に
携帯電話の画面に伝達できます。

3.比較的安い料金で利用できる

基本的に、料金を毎月
支払わないといけません。

しかしせいぜい数千円程度で済みますし、
最初に発生する料金も
数万円程度が相場です。

・電柱看板を検討するときに知っておきたい注意点とは

1.盛り込める内容に制限がある

巻広告タイプの電柱看板は、
使えるスペースが最初から限られています。

このため医院の名前や連絡先、場所……
といった情報を入れるだけで
スペースが埋まってしまいます。

2.地域によっては、電柱が規制されている

小池百合子都知事が、
都内の電柱の撤去を目指していることで
話題を集めていますが、
すでに条例で電柱が
まったく存在しない地域もあります。

そのような土地で開業している場合は、
あきらめるしかないでしょう。

駅看板とは? どんな強みを持っているのか

駅の構内やプラットホーム、
線路のそばのような
鉄道会社が管理する場所に掲示される広告です。

交通広告の中でも
ずば抜けて知名度の高い種類といえるでしょう。

・駅看板から期待できる効果とは

1.通勤客・通学客等をはじめ
おおぜいの乗客に、
医院のPRを毎日繰り返し行える

何と言っても駅看板のメリットは、
不特定多数の乗客の目にとまる
チャンスの多さでしょう。

駅からのアクセス方法を
図面にして掲示すれば、
その駅の利用客に対して、
一度に道案内できます
(特に、駅から近い位置で
開業している場合はおすすめ
です)。

2.駅に看板を出すだけで、
ステータスが発生する

駅はとても公共性が高い場所です。

この場所に広告を出しているだけで、
信頼性を感じる人は多いものです。

駅看板は鉄道会社が一定の審査を
行ってから掲載がスタートします。
鉄道側の独自の審査をパスすることで
信頼性が一段と増します。

3.わずらわしいメンテナンス等を、
全面的に任せてしまえる

ファザード看板やウィンドウサイン、
スタンド看板や野立て看板等は
医院側が管理をしなくてはいけません
(すぐに劣化することはありませんが、
何年も使っていれば汚れたり傷ついたり
することは避けられません)。

しかし駅看板の場合は基本的に、
メンテナンス等を
医院側が行う必要はありません。

・駅看板を検討するときに知っておきたい注意点とは

1.すぐに利用できないこともある

利用客が多い都心の駅の場合、
広告を出したくても
「今、空いているスペースがありません」
とお断りされることもあり得ます。

ただし駅看板の状況は随時変わります。
すぐに出せない場合は、
空きが出たら素早く申し込めるように
最新情報のチェックを
怠らないようにする必要があるでしょう。

2.現場を確認する必要がある

駅看板の掲載場所もピンキリです。
場所によっては、
思ったほど目立たないことがあります。

たとえば、周囲にたくさんの看板が
並んでいるようなところに掲載する場合は、
それらの看板と比べて
見劣りしない内容で掲載したいところです。

どんな看板も、医院の状況とよく照らし合わせて使いましょう

アンチエイジング診療を、
特に自由診療の範疇で
標榜する場合、
広報活動は重要です。

そして看板は、その目的実現のために
おおいに役立つ手段です。
2回に分けてお送りしてまいりましたが、
看板を用いたPRについて
大事なことをまとめると、
次のようになります。

・それぞれの看板の持ち味を
よく理解すること

・医院の置かれている状況を
よく分析して、看板を選ぶこと

・業者とよく話し合って、
戦略を決めていくこと

また、看板は長期にわたって
使うものでもあります。
メンテナンスの必要もありますし、
ときどき時間をつくって
見直しを検討することも大切でしょう。