前回の記事で、
「看板」は集患を進める際に
数々のメリットが期待できるツール
であることを
ご説明しました。

ところで看板には
かなりの種類があります。

そのため、目的に応じて
最適な看板を選んで
業者に発注することが
賢明な集患方法となるのです。

そこで2回にわたって、
アンチエイジングを標榜する
医療機関が活用できる
代表的な看板
数種類取り上げて、
それぞれの持ち味を
ご紹介しましょう。

今号では、
建物に直接取り付けたり、
医院のすぐそばで使ったりする
タイプの看板に
スポットライトを当てましょう。

看板は、医院の正面入り口に取り付けるものばかりではありません

正面玄関の真上に設置する看板は
「ファザード看板」と呼ばれます。
これが最も有名な看板でしょう。

このファザード看板も大切ですが、
その他にも大切な看板が
何種類も見つかります。

1.スタンド看板

これは建物に
直接取り付けて使う看板
ではありません。

道路の上や建物の前に
置いて使うものです。
医療機関だけでなく、
あらゆる商業施設が
利用してきました。

スタンド看板は、
その道を通りかかった歩行者に
PRするために用いるものです。

高い位置に取り付けない以上、
遠く離れたところにいる人に
読んでもらうことはできませんが、
通行人の注意を
医院に向ける効果は絶大です。

そして通行人の目の前に
立てておける以上、
掲載できる内容は多岐にわたります。

(医療法に抵触しないように
配慮する必要はありますが)
提供する治療内容をはじめ
伝えたいことを
かなり自由に盛り込めます。

スタンド看板は、
他の看板と違って
「簡単に動かせる」
というメリットがあります。

したがって、必要がないときは
片付けておくこともできるわけです。
医院側が業者に頼らずに、
掃除や手入れができる点も
大きな長所でしょう。

なお台風のような悪天候のときは、
倒れたり壊れたりするリスクがありますから
しまっておくほうが無難でしょう。

2.袖看板

建物に直接取り付けて使う看板ですが、
その設置方法が特殊です。

壁に支柱を使うなどして
建物の側面に取り付けるのです。

袖看板は、少し高い位置に
取り付けることがほとんどです。
これは、建物に近づいてくる
歩行者や車両に向けたアピールをするため。

建物の側面に設置するとなると、
どうしても看板は小型になったり
長方形になったりと
サイズに制限がかかりますが、
医院の存在を近づいてくる人に
一瞬で伝達できる効果は素晴らしいです。

3.ウィンドウサイン

これは窓ガラスに
PRしたい情報を貼り付けるもの
目立つ書体やカラーを
用いることがほとんどです。

一般的な看板のイメージ
ではないかもしれませんが、
看板業者は、このサービスを
やっていることが多いです。

大通りに面した広い窓を
持っている医院は多いでしょう。
このような場合なら
ウィンドウサインが役に立つチャンスは
とても多くなります。
また、ビルの2階以上に
入居している場合も同様です。

ウィンドウサインには、
医院の名前を大きく
貼り付けることが多いです。
そのほかにもまだ余裕があるなら、
提供する診療内容や
診療の日時といった
伝えたいポイントを盛り込むことが
可能です。

スタンド看板・袖看板・ウィンドウサイン共通の強み

さて、ここまでにご紹介した
3種類の看板には
いくつかの共通点があります。

1.歩行者がなかなか気づかない
ロケーションの場合に、
その弱点をカヴァーできる

医療機関は、
路地を少し入ったところや
ビルの2~3階に
間借りしている場合が多いです。

このような場合は
通行人に気づいてもらえないことも
多いため、袖看板やスタンド看板を
使うことはよいアイデアです。
すぐそばにアンチエイジングを
手掛ける医院があることを
分かりやすく伝えることができます。

特にビルの高層に入居する場合は、
ウィンドウサインは
かなりの効果を発揮します。

高いところで開業するなら、
かなり面積のある窓が付いているもの。
したがって、ウィンドウサインを
使いやすくなるのです。

2.費用が格安で済むチャンスがある

スタンド看板や袖看板は
どちらかといえば小ぢんまりとしています。
このためリーズナブルなコストに
落ち着くことは多いです。

ウィンドウサインについても
低価格に収まることは多いです。
しかし相当に高いところで
業する場合は、業者から
高額の料金を要求される
可能性はあります。

また、窓の材質が
料金に影響を及ぼすことも
じゅうぶんに考えられます。

これらの看板を準備する際の、共通のポイント

看板の種類は多種多様ですが、
大事なことは「目立つこと」
そして「的確にPR点を伝えること」。
また「トラブルを起こさないこと」
も大切です。

以上を追求するための
ポイントを以下にまとめました。

・配色の決定は慎重に行う

看板で上手に集患している医院は、
人目を引く配色に成功しているものです。

ここで大事なことは
周囲の状況をよく観察すること」
でしょう。

街の景観は、看板に
大きな影響を及ぼします。
たとえば雑居ビルで開業しているなら
他のテナントの看板がすでに
いくつも建物に掲げられていることが
多いでしょう。

この場合、周囲の看板と
似たような配色をしてしまうと
全然目立たなくなってしまいます。

……だからといって、
目立つことばかりを優先するのも禁物。
けばけばしい配色にすると
医院のイメージが
損なわれるかもしれません。

医院のコンセプトと矛盾しない
配色が望ましいです。

現在は、インテリアにこだわった
医院が多い時代です。
そこで、医院の内装と
看板を合わせるという手があります。

完全に合わせることは難しいでしょうが
うまくやれば、初めて訪れた患者に
医院の印象を強く残すことが可能です。

・照明やPOP広告等の活用を検討する

看板は基本的に、一度完成したら
HP等と異なり、簡単にいじれません。

しかし工夫の余地はゼロではありません。

たとえばファザード看板や袖看板の場合、
日没後の照明を使うことで
かなりのインパクトが期待できます。

診療時間の間だけ点灯しても
かまいませんが、
世の中には夜の間ずっと
点灯している医院もあります
(夜間も明るいと、それだけで
医院の存在感を強く
PRできるチャンスです)。

またスタンド看板の代わりに、
黒板型のPOP広告を使う手もあります。
POP広告は、「毎日のように
PR内容を書き換えることができる」、
という大きな長所が魅力的です。

ただし黒板等を用いたPOP広告は
医療機関の間では
あまり一般的ではありません。

医療機関は、一般の商業店と異なり
事業内容が
頻繁に変わりません。
つまりPOP広告の必要性は
あまり高くないのです。

しかしよく研究してから使うなら、
周囲の住民にさまざまな
情報発信ができて便利でしょう。

・記載内容を、法に抵触しない範囲でまとめる

現在は医療法が厳しい時代です。
看板に対してもかなりの規制がかかっています。

たとえば、医院の「科目」を
適当に書いてしまうのはNG。
新たに作成する看板に
「神経科」「老年科」……といった
現在の法令で認められていない
科目名を書いてしまうと
トラブルの原因となります。
「~外来」「アンチエイジング」
といった表記も要注意です。

看板づくりはプロの業者に
任せるのが常識です。

できれば、医療機関の看板を
制作した実績を
豊富に持つ業者を選んで
よく相談して決めたいものです。

看板を利用して、通行人をうまいこと誘導している医院はすでに多いです

今号ではスタンド看板・袖看板・ウィンドウサインに
絞ってご紹介してまいりました。

いずれも低予算で
導入できるチャンスがあり、
医院にとって取り入れやすい
看板ばかりです。

そして3種類ともに、
歩行者や通りすがりのドライバーに
自院のPRをする機会を与えてくれます。

初予約の患者が道に迷わないように
誘導してくれる点も大きな利点でしょう。

もちろん医院の開業場所や
建物の状況によって、
これらの看板の導入方法は変わります。

業者とよく話し合って
決めていくことが大事でしょう。

次回は、駅看板や電柱看板といった
医院から離れたところで用いる看板を
テーマに選ぶ予定です。
ご期待ください。