4月になると、大学や専門学校などを
卒業したスタッフが働き始めます。
そのために、クリニックは
いろいろな準備が必要です。

スタッフの服やロッカーなど物理的な準備は
できていても、
スタッフが働きやすい環境は
準備されているでしょうか?

例えば、マニュアルの準備や接遇の研修などです。
とりあえず、
オン・ザ・ジョブ・トレーニングという
クリニックも多いでしょう。
しかし、既存のスタッフも
働きやすい環境は必要です。

できるだけ、クリニックのスタッフ全員が
働きやすい環境
に整えておきましょう。

今回は、新しいスタッフのために
準備しておかなければいけないことを紹介します。

マニュアルを準備する

新しいスタッフは医療事務や看護師の知識が
あったとしても、現場の知識はありません。
そのため、仕事の流れや方法など
具体的に書いたものを準備しておく
必要があります。

マニュアルは、文章だけでなく、
実際に使う道具の写真やイラストなどが
あった方が読みやすくなります。

少し時間はかかるかもしれませんが、
次のようなものを準備しておくと、
他のスタッフの業務を減らすことができます。

診察前・診察後の準備

診察前後の準備は、ほとんど同じ流れです。

○診察前の準備

  1. 待合室・診察室・玄関周りの掃除をする
  2. パソコンを立ちあげる
  3. お金の準備をする

診察後の準備

  1. 待合室・診察室の片付け
  2. パソコンを切る
  3. お金の計算をする

これらについて既存のスタッフと相談をしながら
具体的に決めておきましょう。

掃除の方法

掃除の方法も具体的に決めておくといいでしょう。
チェック項目などをつけておくと、
掃除の漏れを防ぐことができます。
それぞれの場所で、どのような掃除が必要なのかを
書いておくことも大切です。

○診察室

  • ゴミ箱を空にする
  • 机の上を拭く
  • 机の上にあるものを片付ける
  • 患者さんが座る椅子やベッドを整える

○待合室

  • 雑誌を片付ける
  • 雑誌が破れていないか確認する
  • 椅子を拭く

○トイレ

  • トイレットペーパーを補充する
  • 便器を洗う
  • 床を拭く
  • 洗面所回りもきれいにしておく

○玄関

  • スリッパを片付ける
  • スリッパを除菌する

○玄関回り

  • 窓・玄関のドアを拭く
  • 駐車場・クリニック前のゴミを片付ける

接遇の研修を受ける

クリニック向けの接遇研修
おこなっている会社があります。

できれば、
病院・クリニックの実情に詳しい会社の
研修を受講したほうがいいでしょう。

受付事務だけでなく看護師など
医療従事者すべての方に受講してもらいます。
一緒に受講することで、
お互いの仕事の内容を学ぶ
こともできます。

接遇の研修では、挨拶の仕方、身だしなみ、
言葉遣いなどを学びます。
特に、新社会人の方には受講してもらいましょう。

研修の内容はさまざまですが、
座学だけの場合もあれば、
ロールプレイングをする場合もあります。
研修が終われば実際にクリニックで
ロールプレイングをしてみるのもいいでしょう。

例えば、

  1. 体調が悪そうな患者さんが来た場合
  2. 車椅子の患者さんが来た場合
  3. クレームが来た場合
    など、いろいろな場面を想定します。

具体的な年代や症状などを決め、
誰がいつどのように対応するかなども
練習しておきます。

例えば、

  1. 体調が悪そうな患者さんが来た場合
    ・受付に来られたときの対応は?
    ・受付後の対応は?
    ・緊急性がある場合どうする?
  2. 車いすの患者さんが来た場合
    ・ひとりで来られた場合、どうするか?
    ・検査などで移動する場合は誰がつきそう?
  3. クレームが来た場合
    ・だれが最初に対応するか?
    ・どこで対応するか?
    ・どの時点で先生に報告するか?

などです。
いろいろなパターンを事前に準備しておくと、
いろいろなトラブルに対応できます。

医療機器・電子カルテなどのトレーニングをおこなう

医療事務は電子カルテ、
看護師などの医療従事者は医療機器などの
トレーニングが必要です。

例えば、受付事務の場合、
電子カルテの操作ができなければ、
会計に時間がかかったり、
診察が滞ってしまったりする場合があります。
また、業務が始まればゆっくり教える時間が
なくなることも考えておかなければいけません。

電子カルテの会社では、操作方法や、
レセプトの作成方法まで
教えてくれる場合もあります。

できるだけ現場に出る前に
ひととおりの流れを把握しておく

ことが大切です。

また、専門の業者がインストラクターを
派遣してくれる場合や、
メーカーの会社で研修を受講できる
場合があります。

医療機器や電子カルテも
メーカー独自のマニュアルがありますが、
クリニックで実際に使う項目だけのマニュアルを
作っておいてもいい
でしょう。

新しいスタッフが『どこを見ればわかるか』
ということを考えながら作成することが大切です。

新しいスタッフが入る前にいろんなことを想定しておくことが大切

今回の記事では、新しいスタッフが入る前に
準備しておきたいことを紹介しました。
マニュアルを作成したり、接遇の研修を受けたり、
医療機器や電子カルテの研修を受けたりするなど、
どれもとても時間やお金がかかります。

しかし、最初に研修を受けておくと、
実際の業務に活かすこともでき
患者さんに負担がかかることも少なくなります。

新しいスタッフがクリニックで
何をすればいいのか、
あらかじめわかっているだけで
お互い安心して働くことができます。

スタッフ同士で話し合いながら
マニュアルを作っていきましょう。