「クリニックの業務の中でも、
事務処理対応は後回しになっている」
そんな先生はいませんか?

また、クリニックの事務処理は
事務長にすべて任せっきり…
ということもあるかもしれません。

しかし、本当に事務処理のチェックを
後回しにしても大丈夫なのでしょうか

実は、事務員がおこなったミスは
医療事故にも発展する場合があります。

今回は、事務処理にミスが起きたときの対応や、
起こさないための対策を紹介します。

事務処理のミスも医療ミスに発展することがある

医療機関では、確認不足や思い込みなどが原因で、
事務処理のミスも医療ミスに発展してしまう
ことがあります。

厚生労働省が公開しているヒヤリハット事例にも
事務処理のミスによる事例が挙げられています。
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/i-anzen/1/syukei5/7.html

これらが起きる原因は
「思い込んでいた」
「忙しかった」
「確認不足だった」
などのケアレスミスです。

このような原因だからといって、
患者さんにはもちろん通用しません。

これは医師や看護師などの
医療従事者だけではありません。

医療事務も患者の治療に携わっている
意識が必要です。

また、医療事務はカルテだけでなく、
処方箋の入力もおこないます。
この入力作業の中で
間違いやすいのは薬の名前です。

例えば、
「ノイロトロピン」と「ノイロビタン」
という薬ですが、これらは名前が似ているため、
誤処方しやすい薬の一つと報告されています。
そのほかにも間違いやすい薬は多数あります。
http://www.yakkyoku-hiyari.jcqhc.or.jp/pdf/year_report_2014_T001.pdf

事務処理のミスが起きたときの対応方法

このような事務処理にミスが発生した場合の
対応方法について紹介します。

事務処理のミスはその後のスピードが大切です。
対応方法によってはクリニックの評判にも
かかわるからです。

・ミスを指摘された場合は、すぐに謝ることが大切

事務処理で多いミスは、
「会計を多くもらってしまった」
「保険証を返し忘れた」
などです。

明らかに医療事務のミスとわかるような場合は、
すぐに謝りましょう。

忙しいなどの理由はいい訳でしかありません。
誠意をもって患者さんに謝ることが大切です。

・患者さんが帰った場合はできるだけ早く連絡をする

ミスがわかったらすぐに連絡することが必要です。

ただし、家に電話するときは注意が必要です。
なぜならば、ご家族に病気や治療を
隠している場合があるからです。

例えば、美容における治療などは
費用がかかるので内緒にしていたり、
治療内容を家族に知られたくなかったり
する場合もあります。

実際に、ご家族から治療内容について
問い詰められたという話もあります。
患者さんに迷惑をかけないために、
直通の携帯電話にかけるなど注意をしましょう。

事務処理のミスが起きないようにするためには

事務処理のミスが起きないようにするためには、
それぞれの対策が必要です。
今まで曖昧にしていた事務処理は
ルールを作っておきましょう。

・お釣りを間違えないための対策

お釣りを間違えないようにするには、
お札を一枚ずつ数え小銭をトレイに並べたあと
患者さんと一緒にお釣りを確認しましょう。

会計時のお釣りを間違えてしまう理由は、
他の業務が伴うからです。
例えば、診察券や保険証の返却や、
処方箋の受け渡し、
患者さんから質問されたりすることもあります。

これらに会計がともなうため、
慌ててしまいお釣りを間違えてしまうのです。

・保険証の返却ミスを防ぐ対策

保険証は返却忘れだけでなく、
返却しているのに受け取っていないと
患者さんにいわれる場合もあります。

このような問題を防ぐためには、
受け取った時点で確認し返却するようにします。
その場で渡すことで返却ミスを防ぐことが
できます。

その場で確認する時間がない場合は、
一覧表を作成し、患者さんに返却のサインを
してもらうという方法もあります。

一覧表を作成することで、
保険証を返却したかどうかを
お互い確認できます。

・同姓同名の患者のカルテ間違いを防ぐ対策

同姓同名の患者や似ている名前の患者は
意外に多いものです。

診察券を持っている場合は細かく確認できますが、
忘れた場合は注意が必要です。

カルテ間違いを防ぐためには、
受付で名前と生年月日・住所を
確認するようにしましょう。

また、カルテには
同姓同名の患者が他にいることがわかるように
印をつけておくことも必要です。

・パソコンが故障したときの対処方法

事務処理で一番困るのが、
パソコンが故障した場合です。

専用ソフトやパソコンのサポートセンターで
対応してくれますが、
すぐに対処できない場合があります。

このような場合は、
後で会計をするのか、処方箋はどうするのかなど
具体的にルールを決めておきましょう

大きな問題が発生する前に予防策を考えておく

医療機関の仕事は、
常に慎重におこなわなくてはいけません。

どうしても事務処理は
後回しになってしまいがちですが、
これを機会にもう一度見直してみては
いかがでしょうか。

今回ご紹介したようなミスが発生しそうになった
ことがあるという方もいるでしょう。

医療機関でよくいわれる
ヒヤリハット事例を減らすために、
クリニック全体でもう一度確認してみましょう。